数学の成績が上がらないのは,授業中のノートの取り方に原因があるかもしれません。
色んな人がノートの取り方について説明しています。しかし,ほとんどの人がノートの取り方を変えたところで,そう簡単に成績は上がりません。
成績が上がる正しいノートの取り方を説明します。
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ノートを取る目的
まず,ノートを取る目的を理解しましょう。
ノートを取るのは,あとで見て復習するためです。したがって,黒板やホワイトボードに書かれたことを,そのまま写すのでは足りません。見て写すだけでは脳の考える部分は活動してなく,手を動かすことを命令する部分だけが活発に動いているため,まさにノートを取ることが手の運動になっているだけです。
先生が話した内容や,自分が分からない箇所が分かるようなメモも書き込みましょう。
特に,先生が強調した箇所は,大抵テストに出題されるため,強調したことが分かるように書いておくと良いでしょう。
理想としては,ノートを見れば授業が再現できるようなノートですけど,正直難しいです。そのため,まずはしっかりと授業を聞いて,自分でできる範囲で良いから始めましょう。
ノートを取らない方法もある
数学が苦手な人の中には,先生の話を聞きながら書くことが苦手な人もいます。授業の内容を理解するだけでも大変で,それを遅延なくノートに取っていって,さらに板書されなかった話までメモを取るというのは,意外と難しいです。
したがって,そういう人は,思い切って板書をノートに写すことを辞めてしまいましょう。ただし,先生の話をしっかり聞いて,真面目に授業を受けましょう。ノートを取ることが手の運動という作業になるくらいなら,授業内容を頭に入れることを優先するということです。
また,まったくノートを取らないということではなく,教科書に書かれていない説明の部分や板書されないけど重要そうな話を書いていきましょう。場合によっては教科書・テキストに書き込むのもアリです。
どうしても授業中に先生が書いた内容が欲しいなら,友だちにノートをコピーさせてもらいましょう。
余談ですが,大学のときの友人で,ノートを取らない人がいました。その人がノートを取らない理由は「授業で学んだことは,その授業中にすべて理解するため」とのことでした。また,ノートを取らないため,後がないと自分を追い込んでるとも言ってました。これについては,相当な実力がないとできないと思うので,凡人には無理です(笑)
ノートの取り方を一気に変えるな
様々なサイトでノートの取り方を説明されています。でも何故そのようなノートの取り方が良いのか分からないまま,真似してもほとんど意味ないです。ノートの取り方を,人が変わったように,突然変えるのは辞めた方が良いかもしれません。
何事においても,何かを変えるときは,すべてを変えるのではなく,一部分を変えて様子をみることが重要です。全部変えてうまくいかなかった場合に,何が悪かったのか分からなくなります。また,変化することはストレスにもつながります。ノートの取り方という些細なことであっても,同じことが言えます。
ノートの取り方や書くべきことをしっかり考えていくと,自分なりのノートの取り方が決まってくるはずです。板書にはないけど重要そうな話をノートに書くときには「ここに書いておくと後で見やすいな」とか「自分が理解できなかったのはこの部分」など,後で見たときに知りたい情報に速くたどり着くための工夫をしていくはずです。そうすることで,ノートの取り方が自然とうまくなっていきます。
したがって,「こういうノートの取り方をしよう」というのを見て,真似しても何が良いか分からないため,ノートを取ることが目的になっていたり,考えすぎて疲れてしまうんです。結局は元のノートの取り方に戻ってしまい,肝心の成績は上がらないという状態になります。
まずは今やっている板書の丸写しを辞めて,話している内容を理解して書くことに慣れましょう。そうしてノートの取り方を改善していく中で,あなたに合うレイアウトが決まってくるはずです。
無地のノートを使おう
一言でノートと言っても,大きさ・罫線・枚数などによって色々なものがあります。ヒロのオススメのノートは,無地のノートです。
まず,罫線があるノートを使うデメリットを考えてみましょう。
- 分数のときに1行にするか2行にするか迷う。
- 図やグラフを描くときに罫線が邪魔になる場合がある。
- 白紙に書くことに慣れてなく,試験のときに困る。
これらに共通するのは時間を無駄に使っていることです。数式を書くときに1行にするか2行にするか迷うのは,まさに時間の無駄使いです。そもそも罫線があるから迷うわけで,無地のノートならどうしようかと迷うことは起こり得ません。
また,グラフや図を描くときは,罫線がない白紙の方が描きやすいはずです。定期テスト・模試・入試において,答案用紙には罫線はありません。罫線がなくてもある程度,綺麗に書けるようにするためには,日頃からその環境にいることが重要です。
色は3色までにしよう
使う色は,多くても黒・赤・青の3色にしましょう。また,色を使うときは,その色に意味を持たせましょう。同じ色なのに,気分次第でバラバラな目的で使うと,後で見たときに色の意味が分からなくなります。
色の意味の与え方が分からない人は,全部黒で書きましょう。そのうち「ここは赤で書いた方が良いな」など,色々な事が分かってきます。そもそも色を変えた方が良い箇所なんて,他人に教えてもらうことではありません。
成績が上がってなくて,ノートだけは綺麗な人は,「○○先生がこうした方が良い」などと言っているのを聞いて,特に意味もなく,綺麗なノートを書いて満足しているだけです。成績を上げたいと真剣に思うのなら,意味のないことを辞めるべきです。
また,授業中の演習で,間違えた問題に対して,先生が説明する解答を赤で写すことも辞めましょう。解答を写すことは,ただの手の運動です。間違えた問題かどうかなんて,問題を見れば分かるはずです。不安な人はチェックマークを付けておけば良いだけです。
重要なのは,解けない問題を解けるようにすることです。成績を上げるために必要なことかどうかを考えて色を使いましょう。
計算過程を丸写ししない
計算部分については,自分で計算しないといけません。このことが最も重要であるにも関わらず,多くのサイトには書かれていません。「しっかり写しましょう」という嘘ばかり書かれていて,うんざりします。
数学が苦手な人だと,授業中に時間がなくて,自分で計算できないときも多いでしょう。集団授業のため,1人が終わってなくても授業自体は次へと進んでいくこともあります。そんなときは,最後の結果だけ写しておきましょう。
あとで自分で計算して,最初の式から最後の結果になることを確認しましょう。絶対にやってはいけないことは,先生が書いた計算を何も考えず写しておくことです。自分で計算しないから,どのように考えているかを理解することもできなくて,成績が上がらないのです。
また,先生の計算過程が常に最速とは限りませんし,よく分からない変形になっている部分もあります。単純な計算部分について,自分の考えを捨てて,先生の考えに合わせる必要はありません。
ここで,ヒロが高校生のときにしていたことを伝えます。どう見られているか分かりませんが,僕自身,今も昔もそこまで数学ができるわけではありません。ある程度は数学ができるけど,胸を張って「数学が得意です」と言えないヒロのような人にとっては役に立つでしょう。
高校生のとき,授業中の演習で,途中から分からなくて解説待ちになることがよくありました。ただし,解説を待っている間でも,真剣に考えました。解説が始まってからが重要です。
次に何をすれば良いか分からなくて困っている部分の解説を聞くことで,次にするべきことが分かります。それをすれば答えにたどり着けると思った瞬間から,先生には申し訳ないけど,説明を聞きませんでした。
ひたすら計算して,答えを出します。そのときに目標としていたのは,説明しながら計算していく先生より速く答えを出すことです。ほとんどの場合,先生より答えを速く出すことができるはずです。
その後,先生が書く答えと合っていれば,計算部分については自分でやっているから,何の問題もありません。自分が躓いたところには,それが分かる印を付けておけば,あとで見たときに「この部分で躓いたんだな」ということも分かります。
もちろん,授業の最後の問題などでは,時間がなく,先生の説明でも計算過程が省略されて,答えはこうですよと答えだけを書かれることもあります。そんな場合でも,普段から途中の計算を自分でするようにしておけば焦ることはないです。
どうしても途中の計算が分からない場合は,数学が得意な友だちに聞いたり,先生に質問しにいくなど,いくらでも方法はあります。
ノートの取り方のまとめ
ノートを取る目的を考えて,ノートを取るか取らないかの選択をしましょう。ただし,ノートを取らないという選択をした場合は,話を聞くことに集中して下さい。また,どちらにせよ,教科書への書き込みや板書されていないけど重要な話については,意識してノートに書くと良いです。
ノートの取り方を変える場合は,少しずつ,できることから始めるのがオススメです。色は3色までにして,計算部分については自分で計算したものを書きましょう。
無地のノートを使うことで,分数を書くときに1行にするか2行にするかという無駄な悩みがなくなります。また,図やグラフ,先生が話した内容なども書きやすくなるという様々なメリットがあります。
色々書きましたが,重要なのは,ノートの取り方を変えることではありません。数学の成績を上げるために,少しずつ改善できる部分から変えて,努力する方向を正しくすることが大切です。