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4人でじゃんけんをするときの確率
問題4人がじゃんけんを1回するとき,次の確率を求めよ。
(1) 1人だけが勝つ確率
(2) あいこになる確率
(1) 1人だけが勝つ確率
(2) あいこになる確率
プリントを次のリンクからダウンロードできます。
【(1)の考え方と解答】
4人でじゃんけんをするとき,手の出し方は全部で $3^4=81$ 通り。
1人だけが勝つとき,
① 誰が勝つか
② その手は何か
に着目すると,①の勝者の選び方は4通りあり,②の勝者の出す手はグー,チョキ,パーの3通りあるから,$4\times3=12$ 通り。
したがって,求める確率は
4人でじゃんけんをするとき,手の出し方は全部で $3^4=81$ 通り。
1人だけが勝つとき,
① 誰が勝つか
② その手は何か
に着目すると,①の勝者の選び方は4通りあり,②の勝者の出す手はグー,チョキ,パーの3通りあるから,$4\times3=12$ 通り。
したがって,求める確率は
\begin{align*}
\dfrac{12}{81}=\dfrac{4}{27}
\end{align*}
\dfrac{12}{81}=\dfrac{4}{27}
\end{align*}
(2) あいこになる確率
【(2)の考え方と解答】
4人でじゃんけんをするときにあいこになるのは,次の2つの場合がある。
(i) 4人が同じ手を出すとき
(ii) 4人の手が3種類揃うとき
(i)の手の出し方は,グー,チョキ,パーの3通り。
(ii)のときの手の出し方の場合の数を考える。
じゃんけんでは手の出し方が3通りしかないから,4人のうち2人が同じ手を出すことになる。
具体例としてはグー・グー・チョキ・パーとなるときがある。手の組み合わせとしては3通りあるが,誰がどの手を出すかを考える必要がある。4人をA, B, C, Dとして4つの手を並べたとき,左から順にA, B, C, Dとすれば重複なく数えることができる。
それは同じものを2つ含む4つのものの並べ方の総数に等しく
(i), (ii)より,4人でじゃんけんをしてあいこになる手の出し方は
4人でじゃんけんをするときにあいこになるのは,次の2つの場合がある。
(i) 4人が同じ手を出すとき
(ii) 4人の手が3種類揃うとき
(i)の手の出し方は,グー,チョキ,パーの3通り。
(ii)のときの手の出し方の場合の数を考える。
じゃんけんでは手の出し方が3通りしかないから,4人のうち2人が同じ手を出すことになる。
具体例としてはグー・グー・チョキ・パーとなるときがある。手の組み合わせとしては3通りあるが,誰がどの手を出すかを考える必要がある。4人をA, B, C, Dとして4つの手を並べたとき,左から順にA, B, C, Dとすれば重複なく数えることができる。
それは同じものを2つ含む4つのものの並べ方の総数に等しく
\begin{align*}
\dfrac{4!}{2!}=12~通り
\end{align*}
であるから,(ii)のときの手の出し方は $3\times12=36$ 通り。\dfrac{4!}{2!}=12~通り
\end{align*}
(i), (ii)より,4人でじゃんけんをしてあいこになる手の出し方は
\begin{align*}
3+36=39~通り
\end{align*}
したがって,求める確率は3+36=39~通り
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{39}{81}=\dfrac{13}{27}
\end{align*}
\dfrac{39}{81}=\dfrac{13}{27}
\end{align*}
ヒロ
余事象を用いた考え方も理解しておこう。
【別の考え方と解答】
4人でじゃんけんをしてあいこにならないのは,4人の手が2種類の手のときである。つまり,次の2つの場合に限られる。
(i) 2人ずつ同じ手を出す
(ii) 3人が同じ手を出して1人が3人とは異なる手を出す
(i)のとき,4人の手を○○△△とすると,○と△の手の決め方が $\nCk{3}{2}=3$ 通りあり,並べ方が $\dfrac{4!}{2!2!}=6$ 通りあるから,手の出し方は
4人でじゃんけんをしてあいこにならないのは,4人の手が2種類の手のときである。つまり,次の2つの場合に限られる。
(i) 2人ずつ同じ手を出す
(ii) 3人が同じ手を出して1人が3人とは異なる手を出す
(i)のとき,4人の手を○○△△とすると,○と△の手の決め方が $\nCk{3}{2}=3$ 通りあり,並べ方が $\dfrac{4!}{2!2!}=6$ 通りあるから,手の出し方は
\begin{align*}
3\times6=18~通り
\end{align*}
(ii)のとき,4人の手を○○○△とすると,○と△の手の決め方が $3\Cdota2=6$ 通りあり,並べ方が $\dfrac{4!}{3!}=4$ 通りあるから,手の出し方は3\times6=18~通り
\end{align*}
\begin{align*}
6\times4=24~通り
\end{align*}
(i), (ii)より,4人でじゃんけんをしてあいこにならない確率は6\times4=24~通り
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{18+24}{3^4}=\dfrac{42}{3^4}=\dfrac{14}{27}
\end{align*}
したがって,4人でじゃんけんをしてあいこになる確率は\dfrac{18+24}{3^4}=\dfrac{42}{3^4}=\dfrac{14}{27}
\end{align*}
\begin{align*}
1-\dfrac{14}{27}=\dfrac{13}{27}
\end{align*}
1-\dfrac{14}{27}=\dfrac{13}{27}
\end{align*}
ヒロ
あいこにならないときの手の出し方を場合分けせずに求めることもできる。
【別の考え方を工夫する】
4人でじゃんけんをしてあいこにならないのは,4人の手が2種類のときであり,その選び方は $\nCk{3}{2}=3$ 通りである。具体的には(グー,チョキ),(チョキ,パー),(パー,グー)である。
例えば4人の手がグーとチョキだけだった場合を考える。
4人それぞれが出せる手は2通りだから,全部で $2^4=16$ 通りの手の出し方がある。しかし,この中には全員がグーを出すときと全員がチョキを出すときの2通りが含まれているから,この2通りを除いて $16-2=14$ 通りの手の出し方がある。
したがって,4人でじゃんけんをしてあいこにならない確率は
4人でじゃんけんをしてあいこにならないのは,4人の手が2種類のときであり,その選び方は $\nCk{3}{2}=3$ 通りである。具体的には(グー,チョキ),(チョキ,パー),(パー,グー)である。
例えば4人の手がグーとチョキだけだった場合を考える。
4人それぞれが出せる手は2通りだから,全部で $2^4=16$ 通りの手の出し方がある。しかし,この中には全員がグーを出すときと全員がチョキを出すときの2通りが含まれているから,この2通りを除いて $16-2=14$ 通りの手の出し方がある。
したがって,4人でじゃんけんをしてあいこにならない確率は
\begin{align*}
\dfrac{3\Cdot14}{3^4}=\dfrac{14}{27}
\end{align*}
となるから,求める確率は\dfrac{3\Cdot14}{3^4}=\dfrac{14}{27}
\end{align*}
\begin{align*}
1-\dfrac{14}{27}=\dfrac{13}{27}
\end{align*}
1-\dfrac{14}{27}=\dfrac{13}{27}
\end{align*}
$n$ 人でじゃんけんをするときの確率
問題$n$ 人でじゃんけんを1回するとき,あいこになる確率 $p_n$ を求めよ。
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【考え方と解答】
じゃんけんをする人数が3人や4人のときは,あいこになる手の出し方をそのまま考えることが比較的簡単であった。しかし,じゃんけんをする人数が $n$ 人となると,全員が同じ手を出すときは,これまでと同様に3通りしかないが,3種類の手が揃うときを数えるのは至難の業である。
したがって,あいこにならないときの手の出し方を考える。2種類の手の組み合わせは3通りある。$n$ 人それぞれが出す手は2通りで,全員が同じ手になる場合の2通りを除くと,$2^n-2$ 通り。よって,$n$ でじゃんけんを1回してあいこにならない確率は
じゃんけんをする人数が3人や4人のときは,あいこになる手の出し方をそのまま考えることが比較的簡単であった。しかし,じゃんけんをする人数が $n$ 人となると,全員が同じ手を出すときは,これまでと同様に3通りしかないが,3種類の手が揃うときを数えるのは至難の業である。
したがって,あいこにならないときの手の出し方を考える。2種類の手の組み合わせは3通りある。$n$ 人それぞれが出す手は2通りで,全員が同じ手になる場合の2通りを除くと,$2^n-2$ 通り。よって,$n$ でじゃんけんを1回してあいこにならない確率は
\begin{align*}
\dfrac{3(2^n-2)}{3^n}=\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}}
\end{align*}
となるから,求める確率 $p_n$ は\dfrac{3(2^n-2)}{3^n}=\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}}
\end{align*}
\begin{align*}
p_n&=1-\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}} \\[4pt]
&=\dfrac{3^{n-1}-2^n+2}{3^{n-1}}
\end{align*}
p_n&=1-\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}} \\[4pt]
&=\dfrac{3^{n-1}-2^n+2}{3^{n-1}}
\end{align*}
ヒロ
あいこにならないときは,当然であるが,誰かが勝つことになる。
ヒロ
「1人だけが勝つとき,2人が勝つとき・・・とそれぞれの確率を求めて和をとることであいこにならないときの確率を求めることができるはず。」と考えた人もいるだろう。
【別の考え方と解答】
$n$ 人でじゃんけんを1回して,$k~(k=1,~2,~\cdots,~n-1)$ 人が勝ったとする。$k$ 人の選び方が $\nCk{n}{k}$ 通りあり,勝つ手の出し方が3通りあるから,その確率は
$n$ 人でじゃんけんを1回して,$k~(k=1,~2,~\cdots,~n-1)$ 人が勝ったとする。$k$ 人の選び方が $\nCk{n}{k}$ 通りあり,勝つ手の出し方が3通りあるから,その確率は
\begin{align*}
\dfrac{\nCk{n}{k}\Cdot3}{3^n}=\dfrac{\nCk{n}{k}}{3^{n-1}}
\end{align*}
あいこにならない確率は $k=1,~2,~\cdots,~n-1$ として加えたものだから\dfrac{\nCk{n}{k}\Cdot3}{3^n}=\dfrac{\nCk{n}{k}}{3^{n-1}}
\end{align*}
\begin{align*}
\Sum{k=1}{n-1}\dfrac{\nCk{n}{k}}{3^{n-1}}&=\dfrac{1}{3^{n-1}}\left(\Sum{k=0}{n}\nCk{n}{k}-\nCk{n}{0}-\nCk{n}{n}\right) \\[4pt]
&=\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}}
\end{align*}
したがって,求める確率 $p_n$ は\Sum{k=1}{n-1}\dfrac{\nCk{n}{k}}{3^{n-1}}&=\dfrac{1}{3^{n-1}}\left(\Sum{k=0}{n}\nCk{n}{k}-\nCk{n}{0}-\nCk{n}{n}\right) \\[4pt]
&=\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}}
\end{align*}
\begin{align*}
p_n&=1-\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}} \\[4pt]
&=\dfrac{3^{n-1}-2^n+2}{3^{n-1}}
\end{align*}
p_n&=1-\dfrac{2^n-2}{3^{n-1}} \\[4pt]
&=\dfrac{3^{n-1}-2^n+2}{3^{n-1}}
\end{align*}
ヒロ
二項係数の和については,次の記事で詳しく説明している。