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【数学ⅡB】垂直二等分線の方程式【関西大・東京電機大】

線分の垂直二等分線 数学IAIIB
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線分の垂直二等分線の方程式の求め方

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線分ABの垂直二等分線の方程式を求める方法を説明する。

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最初に線分ABが座標軸と平行になっているかどうかを確認しよう。

【線分ABが座標軸と平行になっている場合】
線分ABの中点をM$(p,~q)$ とする。線分ABの垂直二等分線の方程式は次のようになる。
 線分ABが $x$ 軸と平行なとき,$x=p$
 線分ABが $y$ 軸と平行なとき,$y=q$
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線分ABが座標軸と平行でない場合は,主に3つの方法が考えられる。

【定義から求める方法】
線分ABの傾きと中点Mの座標を求める。傾きが $m$ で,Mの座標が $(p,~q)$ であるとすると,線分ABの垂直二等分線の方程式は
\begin{align*}
y=-\dfrac{1}{m}(x-p)+q
\end{align*}
となる。
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この方法で困るのは,2点A,Bの座標に文字が使われているときだろう。

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文字の値によって $m=0$ となるときや $m$ が定義されないときが存在するなら,場合分けして考える必要が出てくる。

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場合分けをしたくないなら,文字が分母に来ないようにして,一般形で求めれば良い。

【定義から求める方法 part2】
例えば2点A,Bの座標をそれぞれ $(a,~b),~(c,~d)$ とする。$a\neq c$ のときを考えると,直線ABの傾きを求めると $\dfrac{b-d}{a-c}$ となり,中点をMとするとM$\left(\dfrac{a+c}{2},~\dfrac{b+d}{2}\right)$ となる。よって,線分ABの垂直二等分線の方程式は
\begin{align*}
(a-c)\left(x-\dfrac{a+c}{2}\right)+(b-d)\left(y-\dfrac{b+d}{2}\right)=0
\end{align*}
となる。$x$ と $y$ の係数については,傾きがどうなるかをちゃんと考えることが重要であるが,簡易的には,ABの傾きの分母を $x$ の係数にして,分子を $y$ の係数にすればよい。
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3つ目の方法としては,垂直二等分線の性質を利用する方法がある。

【性質から求める方法】
 線分ABの垂直二等分線上の点Pは,2点A,Bからの距離が等しいから $\text{AP}=\text{BP}$ が成り立つ。点Pの座標をP$(x,~y)$ として,$\text{AP}=\text{BP}$ を変形していくことで,線分ABの垂直二等分線の方程式が得られる。この方法が解答の書き方などを考えると,楽な方法だと思われる。

垂直二等分線に関する問題【関西大】

2019年 関西大座標平面上に2点A$(2,~1)$,B$(a,~2)$ をとる。線分ABの垂直二等分線が $(1,~3)$ を通るような $a$ の値は $\myhako$ である。
【考え方と解答】
ABの傾きは $\dfrac{1}{a-2}$ であるから,線分ABの垂直二等分線の方程式は
\begin{align*}
&(a-2)\left(x-\dfrac{a+2}{2}\right)+\left(y-\dfrac{3}{2}\right)=0 \\[4pt]
&2(a-2)x+2y-a^2+1=0
\end{align*}
これが点 $(1,~3)$ を通るときを考えて
\begin{align*}
&2(a-2)+6-a^2+1=0 \\[4pt]
&a^2-2a-3=0 \\[4pt]
&(a-3)(a+1)=0 \\[4pt]
&a=3,~-1
\end{align*}
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記述式の問題の場合は,解答の書き方に注意した方が良い。

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この問題では,ABの傾きの分母が $a-2$ だから「ABの傾きが $\dfrac{1}{a-2}$」と書いた時点で「$a=2$ のときは定義できないだろう。何故場合分けしないんだ!」と思われることになる。

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対処法がいくつかあるが,その1つとしては「そもそも書かない」ことが挙げられる。「ABの傾きが○○だから」などと書かずに「線分ABの垂直二等分線の方程式は○○となる」と書いてしまえばよい。

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他の対処法としては,垂直二等分線の性質を利用する書き方に変えることが挙げられる。

【性質を利用する解法】
 垂直二等分線上の点を $(x,~y)$ とすると,2点A,Bからの距離が等しいから
\begin{align*}
&(x-2)^2+(y-1)^2=(x-a)^2+(y-2)^2
\end{align*}
となる。「2乗の差の計算」でサクサク計算しよう。
\begin{align*}
&(a-2)(2x-a-2)+(2y-3)=0 \\[4pt]
&2(a-2)x-2y-a^2+1=0
\end{align*}
※これ以降は上と同じなので省略する。
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最初の解法の考え方を使いたいけど,いきなり垂直二等分線の方程式を書くのは嫌な人はベクトルを利用する書き方が良いだろう。

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詳しくはベクトルの記事で扱うことにする。

3点から等距離にある点を求める問題【東京電機大】

2009年 東京電機大平面上の3点 $(-2,~0)$,$(2,~0)$,$(0,~-1)$ から等距離にある点の座標を求めよ。
【考え方と解答】
 「3点から等距離にある点」が分からなくても「2点から等距離にある点」なら分かるはず。例えば,3点A,B,Cから等距離にある点Pを求めたいとする。点Pは2点A,Bから等距離にある点であるから,線分ABの垂直二等分線上にある。また,点Pは2点B,Cから等距離にある点であるから,線分BCの垂直二等分線上にある。つまり,求める点Pは,線分ABとBCの垂直二等分線の交点である。
 与えられている3点に名前を付けて,A$(-2,~0)$,B$(2,~0)$,C$(0,~-1)$ とする。2点A,Bの $y$ 座標は0で等しいから,線分ABの垂直二等分線の方程式は $x=0$ である。次に線分BCの垂直二等分線を求める。BCの傾きは $\dfrac{0-(-1)}{2-0}=\dfrac{1}{2}$ であるから,線分BCの垂直二等分線の方程式は
\begin{align*}
&y=-2(x-1)-\dfrac{1}{2} \\[4pt]
&y=-2x+\dfrac{3}{2}
\end{align*}
$x=0$ を代入すると $y=\dfrac{3}{2}$ となるから,求める点の座標は $\left(0,~\dfrac{3}{2}\right)$ である。
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ちなみに3点A,B,Cから等距離にある点Pにコンパスの針を刺して,点Aを通るように円を描くと,その円は2点B,Cを通る。つまり,点Pは $\sankaku{ABC}$ の外心である。

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