Contents [hide]
恒等式に関する入試問題
2019年 富山大n 次の整式で表された関数 f(x) が,すべての x に対して
(1) f(0), f(1), f(4) の値を求めよ。
(2) f(x2) の次数と x3f(x−1) の次数を,それぞれ n を用いて表せ。
(3) n≧4 でないことを示せ。
(4) f(x) を求めよ。
f(x2)=x3f(x−1)+3x5+3x4−x3
を満たすとする。次の問いに答えよ。(1) f(0), f(1), f(4) の値を求めよ。
(2) f(x2) の次数と x3f(x−1) の次数を,それぞれ n を用いて表せ。
(3) n≧4 でないことを示せ。
(4) f(x) を求めよ。
【(1)の考え方と解答】
関数 f(x) で分かっていることは次数が n ということだけ。f(x) の具体的な形が分かっていないから,x2 や x−1 が0, 1, 4になる x の値を代入することを考えよう。とりあえず,x=0, 1, 2 を代入してみよう。与えられた等式に x=0 を代入すると f(0)=0 であることが分かる。x=1 を代入すると
関数 f(x) で分かっていることは次数が n ということだけ。f(x) の具体的な形が分かっていないから,x2 や x−1 が0, 1, 4になる x の値を代入することを考えよう。とりあえず,x=0, 1, 2 を代入してみよう。与えられた等式に x=0 を代入すると f(0)=0 であることが分かる。x=1 を代入すると
f(1)=f(0)+3+3−1=5
x=2 を代入するとf(4)=8f(1)+96+48−8=40+96+40=176
(2) f(x2) の次数と x3f(x−1) の次数を,それぞれ n を用いて表せ。
【(2)の考え方と解答】
次数を考えるときは指数法則
f(x) の次数が n であるから,f(x2) の次数は 2n である。また,x3f(x−1) の次数は n+3 である。
次数を考えるときは指数法則
aman=am+n, (am)n=amn
を考えよう。f(x) の次数が n であるから,f(x2) の次数は 2n である。また,x3f(x−1) の次数は n+3 である。
(3) n≧4 でないことを示せ。
【(3)の考え方と解答】
「○○でないことを示せ」と否定語が使われている証明問題では,背理法の証明が有効なことが多い。今回の場合は「n≧4」と仮定して矛盾を導こう。
n≧4 であると仮定すると,n+3≧7 であるから,与えられた等式の右辺の次数は n+3 となる。左辺の次数は 2n であるから,
「○○でないことを示せ」と否定語が使われている証明問題では,背理法の証明が有効なことが多い。今回の場合は「n≧4」と仮定して矛盾を導こう。
n≧4 であると仮定すると,n+3≧7 であるから,与えられた等式の右辺の次数は n+3 となる。左辺の次数は 2n であるから,
2n=n+3n=3
これは n≧4 であることに矛盾する。よって,n≧4 でない。(4) f(x) を求めよ。
【(4)の考え方と解答】
(3)の結果から,f(x) は高々3次関数であることが分かる。つまり,4つの未知数を用いて f(x) を表すことができる。ここで(1)の結果の3つの条件を使えるが,もう1つの条件が必要である。それをどうするかが(4)のポイントとなる。それでは f(x) を具体的において進めよう。
f(0)=0 であるから,f(x)=ax3+bx2+cx とおける。f(1)=5 より
f(x)=2x3+3x2 のとき
(3)の結果から,f(x) は高々3次関数であることが分かる。つまり,4つの未知数を用いて f(x) を表すことができる。ここで(1)の結果の3つの条件を使えるが,もう1つの条件が必要である。それをどうするかが(4)のポイントとなる。それでは f(x) を具体的において進めよう。
f(0)=0 であるから,f(x)=ax3+bx2+cx とおける。f(1)=5 より
a+b+c=5 ⋯⋯①
f(4)=176 より64a+16b+4c=17616a+4b+c=44 ⋯⋯②
もう1つの条件が必要なので,与えられた等式の左辺の値が分かるような x の値を代入してみよう。x2 が1や4になるような x の値を考えると,x=−1, −2 を代入すれば良いことが分かる。代入するのが楽なのは −1 だから,x=−1 を代入してみよう。f(1)=−f(−2)−3+3+15=−f(−2)+1f(−2)=−4
よって,−8a+4b−2c=−44a−2b+c=2 ⋯⋯③
①,②,③より,a=2, b=3, c=0 となるからf(x)=2x3+3x2
このまま,答えにするのはすこしマズイ。関数 f(x) がすべての x に対して与えられた等式を満たさなければならないが,いま求めた f(x) は特定の x に対して与えられた等式を満たす関数であるから,すべての x に対して与えられた等式を満たすかどうかをチェックする必要がある。ということで,確認しておこう。f(x)=2x3+3x2 のとき
f(x2)=2x6+3x4
であり,x3f(x−1)+3x5+3x4−x3=x3{2(x−1)3+3(x−1)2}+3x5+3x4−x3=x3{2(x3−3x2+3x−1)+3(x2−2x+1)}+3x5+3x4−x3=2x6+3x4
となるから,すべての x に対して与えられた等式を満たす。