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【数学ⅡB】3点を通る円の方程式【東北学院大・愛知医科大】

3点を通る円の方程式 数学IAIIB
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3点を通る円の方程式の求め方

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3点を通る円の方程式を求める方法としては,主に3つの方法がある。

3点を通る円の方程式の求め方
  1. 円の中心と半径を求める。
  2. 円の方程式を一般形でおいて,係数を求める。
  3. 2点を通る円の方程式を利用する。
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順番に説明するが,3番目の方法については,次の記事で扱っている。

円の中心と半径を求める

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次の問題を用いて説明する。

2018年 東北学院大平面上の3点O$(0,~0)$,A$(2,~3)$,B$(-3,~3)$ について,次の問いに答えよ。
(1) 線分OAの垂直二等分線の方程式を求めよ。
(2) 3点O,A,Bを通る円の方程式を求めよ。
【(1)の考え方と解答】
 OAの傾きは $\dfrac{3}{2}$ であり,中点をMとするとM$\left(1,~\dfrac{3}{2}\right)$ であるから,線分OAの垂直二等分線の方程式は
\begin{align*}
&y=-\dfrac{2}{3}(x-1)+\dfrac{3}{2} \\[4pt]
&y=-\dfrac{2}{3}x+\dfrac{13}{6}~\cdots\cdots①
\end{align*}

(2) 3点O,A,Bを通る円の方程式を求めよ。

【(2)の考え方と解答】
 弦の垂直二等分線が円の中心を通ることから,(1)がその誘導になっていることに気付けるようにしよう。垂直二等分線をもう1本求めれば,連立方程式を解くことでその交点,すなわち円の中心を求めることができる。線分OBの垂直二等分線と線分ABの垂直二等分線でどちらがより簡単に求められるかを考えよう。OBの垂直二等分線なら,(1)と同様に求めることができるはず。ABの垂直二等分線を求めようとすると,2点A,Bの座標に着目することになり,$y$ 座標が等しいことに気付く。つまり,線分ABの垂直二等分線は $x$ 軸に垂直な直線となるため,こちらの方が簡単に求めることができる。
 ABの中点は $\left(-\dfrac{1}{2},~3\right)$ であるから,ABの垂直二等分線の方程式は $x=-\dfrac{1}{2}~\cdots\cdots②$ である。②を①に代入すると
\begin{align*}
y&=-\dfrac{2}{3}\Cdota\left(-\dfrac{1}{2}\right)+\dfrac{13}{6} \\[4pt]
&=\dfrac{15}{6}=\dfrac{5}{2}
\end{align*}
よって,①と②の交点,すなわち求める円の中心Cの座標は $\left(-\dfrac{1}{2},~\dfrac{5}{2}\right)$ である。求める円の半径を $r$ とすると,
\begin{align*}
r^2&=\text{OC}^2 \\[4pt]
&=\left(-\dfrac{1}{2}\right)^2+\left(\dfrac{5}{2}\right)^2 \\[4pt]
&=\dfrac{26}{4}=\dfrac{13}{2}
\end{align*}
したがって,求める円の方程式は
\begin{align*}
\left(x+\dfrac{1}{2}\right)^2+\left(y-\dfrac{5}{2}\right)^2=\dfrac{13}{2}
\end{align*}

円の方程式を一般形でおいて,係数を求める。

2020年 愛知医科大3点A$(2,~-1)$,B$(2\sqrt{6}-1,~2)$,C$(-4,~7)$ を通る円の方程式を求めよ。
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この問題を見て,点Bの座標だけが面倒な設定だなと思うだろう。

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このことを深読みすると,あることを想定するが,これについては後で説明する。

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とりあえず一般形でおいて円の方程式を求めよう。

【考え方と解答】
 求める円の方程式は
\begin{align*}
C:x^2+y^2+lx+my+n=0
\end{align*}
と表せる。点Aがこの円周上にあるときを考えて
\begin{align*}
&4+1+2l-m+n=0 \\[4pt]&2l-m+n=-5~\cdots\cdots①
\end{align*}
同様に,点Bが円 $C$ 上にあるときを考えて
\begin{align*}
&(2\sqrt{6}-1)^2+4+(2\sqrt{6}-1)l+2m+n=0 \\[4pt]&(2\sqrt{6}-1)l+2m+n=-29+4\sqrt{6}~\cdots\cdots②
\end{align*}
点Cが円 $C$ 上にあるときを考えて
\begin{align*}
&16+49-4l+7m+n=0 \\[4pt]&-4l+7m+n=-65~\cdots\cdots③
\end{align*}
①~③の連立方程式を解こう。どの方程式も $n$ の係数は1であるから,差をとることで $n$ を消去できる。
$①-②$ より
\begin{align*}
&(3-2\sqrt{6})l-3m=24-4\sqrt{6}~\cdots\cdots④
\end{align*}
$①-③$ より
\begin{align*}
&6l-8m=60 \\[4pt]&3l-4m=30~\cdots\cdots⑤
\end{align*}
$④\times4-⑤\times3$ より
\begin{align*}
&(3-8\sqrt{6})l=6-16\sqrt{6} \\[4pt]&l=2
\end{align*}
⑤に代入すると
\begin{align*}
&6-4m=30 \\[4pt]&m=-6
\end{align*}
①より
\begin{align*}
&4+6+n=5 \\[4pt]&n=-5
\end{align*}
よって,求める円の方程式は
\begin{align*}
x^2+y^2+2x-6y-5=0
\end{align*}
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この問題では,点Bの座標だけに無理数があり,それが原因で面倒な計算になる。

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受験生を苦しめるためだけに,このような面倒な設定がされているのだろうか?という疑問を持つ人もいるだろう。

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そのような疑問をもった場合は「もしかすると,簡単になるように点Bを定めてくれているのではないか?」と思うだろう。

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つまり「2点A,Cを直径の両端として決めた後,その円周上の点としてBをとったのではないか?点Bの $y$ 座標を2という整数に決めたが,結果として $x$ 座標だけが無理数になってしまった。」と考えてしまう。

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この座標の設定の不自然さから,次のような確認をした。

3点A$(2,~-1)$,B$(2\sqrt{6}-1,~2)$,C$(-4,~7)$ を通る円の方程式を求めよ。

【点Bの座標が不自然な理由】
 ABの傾き $m$ を計算すると,$\dfrac{3}{2\sqrt{6}-3}$ であり,BCの傾き $n$ を計算すると,$\dfrac{-5}{2\sqrt{6}+3}$ である。ABとBCの傾きの積を計算すると
\begin{align*}
mn&=\dfrac{3}{2\sqrt{6}-3}\Cdota\dfrac{-5}{2\sqrt{6}+3} \\[4pt]&=\dfrac{-15}{24-9}=-1
\end{align*}
「やはりそうだったか」という感想だった。予想通り「ABとBCが垂直である」という結果となった。
これより,3点A,B,Cを通る円は線分ACを直径とする円となる。ACの中点をMとすると,M$(-1,~3)$ となる。
三角形ABCは∠B=90°である直角三角形
また,ACの長さの半分が半径 $r$ であるから
\begin{align*}
r^2&=\dfrac{\text{AC}^2}{4} \\[4pt]&=\dfrac{6^2+(-8)^2}{4} \\[4pt]&=\dfrac{36+64}{4}=25
\end{align*}
よって,求める円の方程式は
\begin{align*}
(x+1)^2+(y-3)^2=25
\end{align*}
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上のように傾きの積でなく,三平方の定理が成り立つかどうかを確認する人もいるだろう。

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その場合は次のようになる。

【点Bの不自然さから直角三角形を疑う】
A$(2,~-1)$,B$(2\sqrt{6}-1,~2)$,C$(-4,~7)$ より
\begin{align*}
&\text{AB}^2=(2\sqrt{6}-3)^2+3^2=42-12\sqrt{6} \\[4pt]&\text{BC}^2=(2\sqrt{6}+3)^2+(-5)^2=58+12\sqrt{6} \\[4pt]&\text{CA}^2=6^2+(-8)^2=100
\end{align*}
となるから
\begin{align*}
\text{AB}^2+\text{BC}^2=\text{CA}^2
\end{align*}
が成り立つ。よって,$\sankaku{ABC}$ は $\kaku{B}=90\Deg$ の直角三角形である。
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好みの問題であるとは思うが,個人的には,傾きの積が $-1$ になることを確認する方が楽な気がする。

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今回は与えられている座標の不自然さから,傾きの積を確認して,結果として上手くいった。

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しかし,問題によっては,座標設定が面倒になっているだけのものもあるので,いつもこのように上手くいくとは限らない。

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