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2018年 立教大
2018年 立教大$a,~b$ を定数とし,$a\neq0$ であるとするとき,関数 $f(x)=ax^3+b$ がすべての実数 $x$ に対して
\begin{align*}
\{f'(x)\}^2+xf(x)+x=0
\end{align*}
を満たすとする。ただし,$f'(x)$ は $f(x)$ の導関数である。このとき,$a=\myhako,~b=\myhako$ である。\{f'(x)\}^2+xf(x)+x=0
\end{align*}
【解答と考え方】
$f(x)=ax^3+b$ のとき,$f'(x)=3ax^2$ である。$\{f'(x)\}^2+xf(x)+x=0$ より
②より,$b=-1$
$f(x)=ax^3+b$ のとき,$f'(x)=3ax^2$ である。$\{f'(x)\}^2+xf(x)+x=0$ より
\begin{align*}
&(3ax^2)^2+x(ax^3+b)+x=0 \\[4pt]
&(9a^2+a)x^4+(b+1)x=0
\end{align*}
これがすべての実数 $x$ に対して成り立つから&(3ax^2)^2+x(ax^3+b)+x=0 \\[4pt]
&(9a^2+a)x^4+(b+1)x=0
\end{align*}
\begin{align*}
\begin{cases}
9a^2+a=0 &~\cdots\cdots① \\[4pt]
b+1=0 &~\cdots\cdots②
\end{cases}
\end{align*}
①より,\begin{cases}
9a^2+a=0 &~\cdots\cdots① \\[4pt]
b+1=0 &~\cdots\cdots②
\end{cases}
\end{align*}
\begin{align*}
&a(9a+1)=0 \\[4pt]
&a=0,~-\dfrac{1}{9}
\end{align*}
$a\neq0$ であるから,$a=-\dfrac{1}{9}$&a(9a+1)=0 \\[4pt]
&a=0,~-\dfrac{1}{9}
\end{align*}
②より,$b=-1$
2015年 中央大
2015年 中央大次の条件をすべてみたす2次関数 $f(x)$ を求めよ。
\begin{align*}
f(0)=2,~f'(0)=-5,~f'(1)=1
\end{align*}
f(0)=2,~f'(0)=-5,~f'(1)=1
\end{align*}
ヒロ
まずは基本的解法で解くことにする。
【解答と考え方】
求める関数が2次関数であるから,
導関数を求めると
$f'(1)=1$ より
求める関数が2次関数であるから,
\begin{align*}
f(x)=ax^2+bx+c
\end{align*}
と表せる。$f(0)=2$ より,$c=2$f(x)=ax^2+bx+c
\end{align*}
導関数を求めると
\begin{align*}
f'(x)=2ax+b
\end{align*}
となるから,$f'(0)=-5$ より,$b=-5$f'(x)=2ax+b
\end{align*}
$f'(1)=1$ より
\begin{align*}
&2a-5=1 \\[4pt]
&a=3
\end{align*}
よって,求める2次関数 $f(x)$ は&2a-5=1 \\[4pt]
&a=3
\end{align*}
\begin{align*}
f(x)=3x^2-5x+2
\end{align*}
f(x)=3x^2-5x+2
\end{align*}
ヒロ
次に,与えられた条件からうまく $f(x)$ をおく解法を説明する。
【別の解答と考え方】
$f(0)=2$ は $y=f(x)$ のグラフが点 $(0,~2)$ を通ることを表していて,$f'(0)=-5$ は $y=f(x)$ の点 $(0,~2)$ における接線の傾きが $-5$ であることを表している。つまり,$y=f(x)$ の点$(0,~2)$ における接線の方程式が $y=-5x+2$ であるから,
$f(0)=2$ は $y=f(x)$ のグラフが点 $(0,~2)$ を通ることを表していて,$f'(0)=-5$ は $y=f(x)$ の点 $(0,~2)$ における接線の傾きが $-5$ であることを表している。つまり,$y=f(x)$ の点$(0,~2)$ における接線の方程式が $y=-5x+2$ であるから,
\begin{align*}
f(x)=ax^2-5x+2
\end{align*}
と表せる。導関数を求めるとf(x)=ax^2-5x+2
\end{align*}
\begin{align*}
f'(x)=2ax-5
\end{align*}
となるから,$f'(1)=1$ よりf'(x)=2ax-5
\end{align*}
\begin{align*}
&2a-5=1 \\[4pt]
&a=3
\end{align*}
よって,求める2次関数 $f(x)$ は&2a-5=1 \\[4pt]
&a=3
\end{align*}
\begin{align*}
f(x)=3x^2-5x+2
\end{align*}
f(x)=3x^2-5x+2
\end{align*}
ヒロ
放物線の特徴で覚えるべきものをしっかり理解して覚えよう。
放物線 $y=ax^2+bx+c~\cdots\cdots①$ と直線 $y=bx+c~\cdots\cdots②$ の共有点を考える。
$①-②$ を計算して,$y$ を消去すると
\begin{align*}
&(ax^2+bx+c)-(bx+c)=0 \\[4pt]
&ax^2=0 \\[4pt]
&x=0
\end{align*}
重解 $x=0$ をもつということは,放物線①と直線②は点 $(0,~c)$ で接することを表している。&(ax^2+bx+c)-(bx+c)=0 \\[4pt]
&ax^2=0 \\[4pt]
&x=0
\end{align*}
$y=ax^2+bx+c$ の $a,~b,~c$ の符号を答える問題に対して,$b$ の符号を求めるときは軸の位置を考える方法で説明されることが多い。しかし,$b$ は放物線の $y$ 切片における接線の傾きであることを理解していれば,一瞬で答えることができるようになるだろう。