微分係数を含む条件から関数を決定する問題について説明します。
一般に,求める関数が2次関数なら,未知数は3つ必要です。与えられた条件から等式を3つ作り,連立方程式を解いて未知数を求める方法が基本的解法です。
ただ,与えられた条件によっては,未知数の個数を減らすことができます。
そのためには勿論知識が必要となるため,その知識を手に入れましょう。
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2019年 中部大
2019年 中部大3次式 $f(x)=x^3+\myhako\,x^2+\myhako\,x+\myhako$ は
\begin{align*}
x^3f\left(\dfrac{1}{x}\right)=f(x),~f'(0)=3
\end{align*}
を満たす。x^3f\left(\dfrac{1}{x}\right)=f(x),~f'(0)=3
\end{align*}
【解答と考え方】
導関数と恒等式の考え方を利用しよう。求めるものは3次式 $f(x)$ であるから,
$f'(0)=3$ より,$b=3$
$x^3f\left(\dfrac{1}{x}\right)=f(x)$ より
よって,$f(x)=x^3+3x^2+3x+1$
導関数と恒等式の考え方を利用しよう。求めるものは3次式 $f(x)$ であるから,
\begin{align*}
f(x)=x^3+ax^2+bx+c
\end{align*}
とおくとf(x)=x^3+ax^2+bx+c
\end{align*}
\begin{align*}
f'(x)=3x^2+2ax+b
\end{align*}
よって,$f'(0)=b$f'(x)=3x^2+2ax+b
\end{align*}
$f'(0)=3$ より,$b=3$
$x^3f\left(\dfrac{1}{x}\right)=f(x)$ より
\begin{align*}
&x^3\left(\dfrac{1}{x^3}+\dfrac{a}{x^2}+\dfrac{b}{x}+c\right)=x^3+ax^2+bx+c \\[4pt]
&1+ax+bx^2+cx^3=x^3+ax^2+bx+c
\end{align*}
これが $x$ の恒等式になるから係数を比較すると&x^3\left(\dfrac{1}{x^3}+\dfrac{a}{x^2}+\dfrac{b}{x}+c\right)=x^3+ax^2+bx+c \\[4pt]
&1+ax+bx^2+cx^3=x^3+ax^2+bx+c
\end{align*}
\begin{align*}
\begin{cases}
c=1 \\[4pt]
a=b
\end{cases}
\end{align*}
$b=3$ であるから,$a=b=3,~c=1$\begin{cases}
c=1 \\[4pt]
a=b
\end{cases}
\end{align*}
よって,$f(x)=x^3+3x^2+3x+1$