ここでは与えられた式が3の倍数や4の倍数であることの証明問題の考え方について説明します。
一般的に「証明問題」と聞くと嫌な顔をする人が多いような気がしますが,この記事で扱う問題は比較的簡単なのでできるようにしましょう。
倍数であることの証明問題
問題$a$ と $b$ は整数とするとき,次のことを証明せよ。
$a$ と $b$ がともに3の倍数ならば,$a+b$ は3の倍数である。
$a$ と $b$ がともに3の倍数ならば,$a+b$ は3の倍数である。
ヒロ
「○○の倍数」を数式を用いて表す方法の復習をしておこう。
倍数の表し方 例えば「3の倍数」は $3\times(整数)$ と表すことができる。$k$ を整数とすると,3の倍数は $3k$ と表すことができる。他には $3(k+1)$ や $3(k-2)$ と表すことができる。
一般に,「$n$ の倍数」は $k$ を整数として $kn$ と表すことができる。また,2つの $n$ の倍数を表す場合は,整数を表す文字を変えて,$kn,~ln$ と表すようにしよう。
一般に,「$n$ の倍数」は $k$ を整数として $kn$ と表すことができる。また,2つの $n$ の倍数を表す場合は,整数を表す文字を変えて,$kn,~ln$ と表すようにしよう。
【考え方と解答】
$a$ と $b$ がともに3の倍数であるとき,$k,~l$ を整数とすると
$a$ と $b$ がともに3の倍数であるとき,$k,~l$ を整数とすると
\begin{align*}
a=3k,~b=3l
\end{align*}
と表すことができる。このときa=3k,~b=3l
\end{align*}
\begin{align*}
a+b&=3k+3l \\[4pt]
&=3(k+l)
\end{align*}
$k+l$ は整数であるから,$a+b$ は3の倍数である。a+b&=3k+3l \\[4pt]
&=3(k+l)
\end{align*}
倍数であることの証明問題2
問題$a,~b$ を整数とするとき,次のことを証明せよ。
$a-3b,~b$ が11の倍数ならば,$a$ は11の倍数である。
$a-3b,~b$ が11の倍数ならば,$a$ は11の倍数である。
【考え方と解答】
$a-3b,~b$ が11の倍数であるから,$k,~l$ を整数として
$a-3b,~b$ が11の倍数であるから,$k,~l$ を整数として
\begin{align*}
a-3b=11k,~b=11l
\end{align*}
と表すことができる。このときa-3b=11k,~b=11l
\end{align*}
\begin{align*}
a&=(a-3b)+3b \\[4pt]
&=11k+3\times11l \\[4pt]
&=11(k+3l)
\end{align*}
$k+3l$ は整数であるから $a$ は11の倍数である。a&=(a-3b)+3b \\[4pt]
&=11k+3\times11l \\[4pt]
&=11(k+3l)
\end{align*}
倍数であることの証明問題3
問題$a,~b$ を整数とするとき,次のことを証明せよ。
$a,~b$ が2の倍数ならば,$a^2+b^2$ は4の倍数である。
$a,~b$ が2の倍数ならば,$a^2+b^2$ は4の倍数である。
【考え方と解答】
$a,~b$ が2の倍数のとき,$k,~l$ を整数として
$a,~b$ が2の倍数のとき,$k,~l$ を整数として
\begin{align*}
a=2k,~b=2l
\end{align*}
と表すことができるから,a=2k,~b=2l
\end{align*}
\begin{align*}
a^2+b^2&=(2k)^2+(2l)^2 \\[4pt]
&=4k^2+4l^2 \\[4pt]
&=4(k^2+l^2)
\end{align*}
$k^2+l^2$ は整数であるから,$a^2+b^2$ は4の倍数である。a^2+b^2&=(2k)^2+(2l)^2 \\[4pt]
&=4k^2+4l^2 \\[4pt]
&=4(k^2+l^2)
\end{align*}