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漸化式パターン3:$a_{n+1}=pa_n+f(n)$$~(p\neq1)$ 型の解法

漸化式パターン3 part4数学IAIIB
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漸化式パターン3の第四弾となります。パターン3は $f(n)$ の形に応じて,次の4つのタイプに分けることができます。

  • 1次式
  • 2次式
  • $n+k$ 乗($k$ は整数)
  • 分数式 ← この記事ではこのタイプを解説

ここでは,$f(n)$ が分数式で表される漸化式の解法を説明します。
ただ,今回の分数式のタイプも前回の2次式のタイプと同様にほとんど出題されません。しかし,いつ出題されても大丈夫なように解けるようにしておきましょう。

それでは,次の問題を考えましょう。

2015年 京都工芸繊維大数列 $\{a_n\}$ が次の条件を満たしているとき $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。
\begin{align*}
a_1=1,~a_n+a_{n+1}-\dfrac{2n+1}{n(n+1)}=0~(n=1,2,3,\cdots)
\end{align*}
ヒロ
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まずは自分の力で解いてみよう。

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階差型に変形する

ヒロ
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まず「$a_{n+1}=\cdots$」の形に変形しよう。

\begin{align*}
a_{n+1}=-a_n+\dfrac{2n+1}{n(n+1)}
\end{align*}
ヒロ
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$a_n$ の係数が $-1$ だから,両辺を $(-1)^{n+1}$ で割ると階差型に変形できるね。

なるほど。前回のpart3の $n$ 乗系のときの階差型に変形したのと同じ考え方ですね。

\begin{align*}
&\dfrac{a_{n+1}}{(-1)^{n+1}}=\dfrac{-a_n}{(-1)^{n+1}}+\dfrac{2n+1}{(-1)^{n+1}n(n+1)} \\[4pt]
&\dfrac{a_{n+1}}{(-1)^{n+1}}=\dfrac{a_n}{(-1)^n}+\dfrac{2n+1}{(-1)^{n+1}n(n+1)}
\end{align*}
$\dfrac{a_n}{(-1)^n}=b_n$ とおくと
\begin{align*}
b_1=-a_1=-1,~b_{n+1}=b_n+\dfrac{2n+1}{(-1)^{n+1}n(n+1)}
\end{align*}
ヒロ
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あとは $\Sum{k=1}{n-1}\dfrac{2k+1}{(-1)^{k+1}k(k+1)}$ を求めることができれば良い。

シグマの中身が分数式だから,差の形を作るんですね。

ヒロ
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一旦 $(-1)^{k+1}$ の部分は無視して $\dfrac{2k+1}{k(k+1)}$ の部分を作ることだけを考えよう。先に言っておくと「差」に拘らなくて良い,というかむしろ「和」にした方が良いね。

\begin{align*}
\dfrac{2k+1}{k(k+1)}=\dfrac{1}{k}+\dfrac{1}{k+1}
\end{align*}
両辺を $(-1)^{k+1}$ で割ると
\begin{align*}
&\dfrac{2k+1}{(-1)^{k+1}k(k+1)}=\dfrac{1}{(-1)^{k+1}k}+\dfrac{1}{(-1)^{k+1}(k+1)} \\[4pt]
&=-\dfrac{1}{(-1)^kk}+\dfrac{1}{(-1)^{k+1}(k+1)}
\end{align*}
ヒロ
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これで差の形を作ることができたので,和を求めることができる。

数列 $\{b_n\}$ の階差数列の一般項が $\dfrac{2n+1}{(-1)^{n+1}n(n+1)}$ だから,$n\geqq2$ のとき
\begin{align*}
b_n&=b_1+\Sum{k=1}{n-1}\dfrac{2k+1}{(-1)^{k+1}k(k+1)} \\[4pt]
&=-1+\Sum{k=1}{n-1}\left\{-\dfrac{1}{(-1)^kk}+\dfrac{1}{(-1)^{k+1}(k+1)}\right\} \\[4pt]
&=-1-\dfrac{1}{(-1)^1\Cdot1}+\dfrac{1}{(-1)^nn} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{(-1)^nn}
\end{align*}
$a_n=(-1)^nb_n$ より,$a_n=\dfrac{1}{n}$
ヒロ
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シグマの次々と消える部分については,暗算でできるようにしよう。

等比型に変形する

ヒロ
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もう1つの解法でも解いておこう。等比型に帰着させることを考えると次のようになる。

\begin{align*}
a_{n+1}+g(n+1)=-(a_n+g(n))
\end{align*}
となる $g(n)$ を考える。元の漸化式より
\begin{align*}
g(n+1)+g(n)&=-\dfrac{2n+1}{n(n+1)} \\[4pt]
&=-\dfrac{n+(n+1)}{n(n+1)} \\[4pt]
&=-\dfrac{1}{n+1}-\dfrac{1}{n}
\end{align*}
よって,$g(n)=-\dfrac{1}{n}$
数列 $\{a_n+g(n)\}$ は公比 $-1$ の等比数列だから,
\begin{align*}
&a_n+g(n)=(a_1+g(1))\Cdota(-1)^{n-1}
\end{align*}
ここで,$a_1+g(1)=1-1=0$ だから
\begin{align*}
&a_n+g(n)=0 \\[4pt]
&a_n=-g(n) \\[4pt]
&a_n=\dfrac{1}{n}
\end{align*}

$a_{n+1}=pa_n+f(n)$$~(p\neq1)$ 型の漸化式の解法

ヒロ
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漸化式パターン3の一般的な解法をまとめておこう。

解法1
  1. 両辺を $p^{n+1}$ で割る。
  2. $\dfrac{a_n}{p^n}=b_n$ とおいて,$b_{n+1}$ を $b_n$ で表す。
  3. 階差型になるから,その解法を思い出す。
  4. $b_n$ を求めて,一般項 $a_n=p^nb_n$ を求める。
解法2
  1. 数列 $\{a_n+g(n)\}$ が等比数列となる $g(n)$ を求める。
  2. 等比型になることを利用して,一般項 $a_n$ を求める。

まとめ

ヒロ
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漸化式パターン3の $f(n)$ が分数式で表される漸化式は,2006年以降,主要な大学ではほとんど出題されていない。しかし,2015年の京都工芸繊維大学で出題されたように誘導がなく出題されることを考えると,こういう問題もあるんだなぁと記憶の片隅に留めておくと良いだろう。

※2015年の京都工芸繊維大では,(1)と(2)の2問構成で初項だけが異なる形で出題されました。(1)が上で解説した問題で,(2)では初項が2になっていました。

(1)が解けなければ(2)も同時に解けないことになり,大問1つが白紙解答と言う状況になります。そうならないためにも,階差型や等比型に変形するための基本的な考え方を身に付けましょう。

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