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正の約数の個数に関する入試問題【慶應大・広島修道大・東海大】

正の約数に関する入試問題数学IAIIB
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以前,正の約数の個数とその約数の総和について説明しました。

公式の丸暗記では,大学入試で出題される問題に対応できないかもしれません。

上の記事の知識を用いて,入試問題を解く練習をしましょう。
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約数の個数に関する問題

2014年 慶應大・看護医療$12^n$ の正の約数の個数が28個となるような自然数 $n$ は,$n=\myhako$ である。
ヒロ
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12を素因数分解して考えよう。

【考え方と解答】
$12=2^2\Cdot3$ より $12^n=2^{2n}\Cdot3^n$ であるから,$12^n$ の正の約数の個数は $(2n+1)(n+1)$ である。これが28となるときを考えて
\begin{align*}
&(2n+1)(n+1)=28 \\[4pt]
&2n^2+3n-27=0 \\[4pt]
&(2n+9)(n-3)=0 \\[4pt]
&n=-\dfrac{9}{2},~3
\end{align*}
$n$ は自然数であるから $n=3$

約数の個数に関する問題2

2019年 広島修道大3000以下の自然数のうち,正の約数の個数が21個である数の個数を求めよ。
ヒロ
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自然数が与えられて,その自然数の約数の個数を求める問題については,解ける人が多いだろう。

ヒロ
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しかし,逆に約数の個数が与えられて,その条件をみたす自然数を求める問題は苦手な人が多い。

ヒロ
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公式を暗記して解くのではなく,意味を理解して解くようにしよう。

【考え方と解答】
素因数の種類で分類して考えよう。
$21=3\times7$ であるから,素因数の種類は1種類か2種類に限られる。正の約数を21個もつ自然数を $N$ とすると,
\begin{align*}
N=p^{20},~q^2r^6
\end{align*}
のいずれかの形で表される。ここで $p,~q,~r$ は素数とし,$q\neq r$ とする。
(I) $N=p^{20}$ のとき
\begin{align*}
p^{20}&\geqq2^{20}=(2^{10})^2 \\[4pt]
&=1024^2>10^6 \\[4pt]
&>3000
\end{align*}
となるから,条件をみたさない。
(II) $N=q^2r^6$ のとき
$q^2r^6\leqq3000$ より
\begin{align*}
qr^3\leqq\sqrt{3000}
\end{align*}
$54^2=2916,~55^2=3025$ より,$54<\sqrt{3000}<55$ であるから
\begin{align*} &qr^3\leqq54 \\[4pt] &q\leqq\dfrac{54}{r^3} \end{align*}
(i) $r=2$ のとき
\begin{align*} q\leqq\dfrac{54}{2^3}=6.75 \end{align*}
$q$ は $q\neq r=2$ をみたす素数であるから $q=3,~5$
(ii) $r=3$ のとき
\begin{align*} q\leqq\dfrac{54}{3^3}=2 \end{align*}
より,$q=2$
(iii) $r\geqq5$ のとき
\begin{align*} q&\leqq\dfrac{54}{r^3} \\[4pt] &\leqq\dfrac{54}{5^3}<1 \end{align*}
となるから,条件をみたす $q$ は存在しない。
 以上(I), (II)より
\begin{align*} N=3^2\Cdota2^6,~5^2\Cdota2^6,~2^2\Cdota3^6 \end{align*}
であるから,求める自然数の個数は3である。
ヒロ
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色々な整数の正の約数の個数を求めてみることで,約数の個数が奇数になるときの法則に気付く人もいるだろう。

【正の約数の個数が奇数】
 自然数 $N$ を素因数分解したときに $N=p^a\Cdot q^b\Cdot r^c$ と表されたとする。$p,~q,~r$ は異なる素数であり,$a,~b,~c$ は自然数である。このとき $N$ の正の約数の個数は $(a+1)(b+1)(c+1)$ である。
 ここで $N$ が正の約数を奇数個もつとき,$(a+1)(b+1)(c+1)$ は奇数であるから,$a+1,~b+1,~c+1$ はすべて奇数である。すなわち,$a,~b,~c$ はすべて偶数である。  整数 $k,~l,~m$ を用いて $a=2k,~b=2l,~c=2m$ と表せるから
\begin{align*} N&=p^{2k}q^{2l}r^{2m} \\[4pt] &=(p^kq^lr^m)^2 \end{align*}
となり,$N$ が平方数であることが分かる。
正の約数の個数が奇数正の約数の個数が奇数である自然数は平方数である。

約数に関する問題

ヒロ
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2019年の東海大入試で,約数の逆数の和を求める問題が出題されている。

ヒロ
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公式の丸暗記では解けないだろう。

2018年 東海大・医1800の正の約数の逆数の総和は $\myhako$ である。
ヒロ
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どのように計算すればよいのかを考えよう。

【約数の逆数の和】
自然数 $n$ が3つの異なる素数 $p,~q,~r$ を用いて $n=pqr$ のように素因数分解された場合,$n$ の正の約数の逆数の和を $S$ とすると $S$ は
\begin{align*}
S=\dfrac{1}{p}+\dfrac{1}{q}+\dfrac{1}{r}+\dfrac{1}{pq}+\dfrac{1}{qr}+\dfrac{1}{rp}+\dfrac{1}{pqr}
\end{align*}
となる。通分すると
\begin{align*}
S=\dfrac{qr+pr+pq+r+p+q+1}{pqr}
\end{align*}
となり,分子が $n$ の正の約数の和であることが分かる。
ヒロ
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ただし,実際にすべての約数を書き並べるのは面倒なので書き方を工夫した方が良い。

ヒロ
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それでは1800の約数の逆数の和を求めよう。

【考え方と解答】
まずは1800を素因数分解する。
\begin{align*}
1800&=18\times100 \\[4pt]
&=2\Cdota3^2\times2^2\Cdota5^2 \\[4pt]
&=2^3\Cdota3^2\Cdota5^2
\end{align*}
よって,1800の正の約数は全部で $4\Cdot3\Cdot3=36$ 個ある。これら36個の約数を小さい方から順に $a_1,~a_2,~\cdots,~a_{36}$ とすると,整数 $k~(k=1,~2,~\cdots,~36)$ に対して
\begin{align*}
a_k\Cdota a_{36-k}=1800
\end{align*}
が成り立つ。求める正の約数の逆数の和を $S$ とすると
\begin{align*}
S&=\Sum{k=1}{36}\dfrac{1}{a_k} \\[4pt]
&=\Sum{k=1}{36}\dfrac{a_{36-k}}{1800} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{1800}\Sum{k=1}{36}a_k
\end{align*}
ここで $\Sum{k=1}{36}a_k$ は1800の正の約数の和を表すから
\begin{align*}
S&=\dfrac{1}{1800}\Sum{k=1}{36}a_k \\[4pt]
&=\dfrac{1}{1800}(1+2+2^2+2^3)(1+3+3^2)(1+5+5^2) \\[4pt]
&=\dfrac{15\times13\times31}{2^3\Cdot3^2\Cdot5^2} \\[4pt]
&=\dfrac{13\times31}{2^3\Cdot3\Cdot5} \\[4pt]
&=\dfrac{403}{120}
\end{align*}
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