Contents
2020年 京都教育大
2020年 京都教育大$a,~b$ は1より大きい実数で,$x,~y,~z$ は0でない実数であるとする。
\begin{align*}
a^x=b^y=(ab)^z
\end{align*}
であれば,a^x=b^y=(ab)^z
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{y}=\dfrac{1}{z}
\end{align*}
であることを証明せよ。\dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{y}=\dfrac{1}{z}
\end{align*}
プリントを次のリンクからダウンロードできます。
【考え方と解答】
指数法則をうまく利用して,等式の証明をしよう。
$a^x=(ab)^z$ より,$a^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{x}}$
$b^y=(ab)^z$ より,$b^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{y}}$
よって
指数法則をうまく利用して,等式の証明をしよう。
$a^x=(ab)^z$ より,$a^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{x}}$
$b^y=(ab)^z$ より,$b^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{y}}$
よって
\begin{align*}
&a^{\frac{1}{z}}b^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{x}}\times(ab)^{\frac{1}{y}} \\[4pt]
&(ab)^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{x}+\frac{1}{y}}
\end{align*}
したがって&a^{\frac{1}{z}}b^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{x}}\times(ab)^{\frac{1}{y}} \\[4pt]
&(ab)^{\frac{1}{z}}=(ab)^{\frac{1}{x}+\frac{1}{y}}
\end{align*}
\begin{align*}
&\dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{y}=\dfrac{1}{z}
\end{align*}
&\dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{y}=\dfrac{1}{z}
\end{align*}
2020年 横浜市立大
2020年 横浜市立大(1) $(\sqrt{2}^{\sqrt{2}})^{\sqrt{2}}$ の値を求めなさい。
(2) $\sqrt{2}$ が無理数であることを証明しなさい。
(3) $x^y$ の値が有理数になる無理数の組 $(x,~y)$ が存在することを証明しなさい。
(2) $\sqrt{2}$ が無理数であることを証明しなさい。
(3) $x^y$ の値が有理数になる無理数の組 $(x,~y)$ が存在することを証明しなさい。
【(1)の考え方と解答】
\begin{align*}
(\sqrt{2}^{\sqrt{2}})^{\sqrt{2}}&=(\sqrt{2})^{\sqrt{2}\times\sqrt{2}} \\[4pt]
&=(\sqrt{2})^2=2
\end{align*}
(\sqrt{2}^{\sqrt{2}})^{\sqrt{2}}&=(\sqrt{2})^{\sqrt{2}\times\sqrt{2}} \\[4pt]
&=(\sqrt{2})^2=2
\end{align*}
(2) $\sqrt{2}$ が無理数であることを証明しなさい。
ヒロ
この問題は背理法を用いて証明する有名問題なので確実にできるようにしよう。
【(2)の考え方と解答】
同じ問題が2018年に和歌山県立医科大で出題されていて「背理法を利用した有名な証明問題」の記事で解説しているので,ここでは省略する。
同じ問題が2018年に和歌山県立医科大で出題されていて「背理法を利用した有名な証明問題」の記事で解説しているので,ここでは省略する。
(3) $x^y$ の値が有理数になる無理数の組 $(x,~y)$ が存在することを証明しなさい。
【(3)の考え方と解答】
(1)と(2)が(3)の誘導になっている。$\sqrt{2}^{\sqrt{2}}$ が有理数か無理数かが分からないが,分からないからこそ,仮定して色々考えることが重要である。
(i) $\sqrt{2}^{\sqrt{2}}$ が有理数のとき
$x=y=\sqrt{2}$ とすると,$x,~y$ は無理数で,$x^y$ は有理数である。
(ii) $\sqrt{2}^{\sqrt{2}}$ が無理数のとき
$x=\sqrt{2}^{\sqrt{2}},~y=\sqrt{2}$ とすると,$x,~y$ は無理数で,(1)より $x^y$ は有理数である。
(i),(ii)のどちらか一方が正しいが,どちらにせよ $x^y$ が有理数であるような無理数の組 $(x,~y)$ が存在する。
(1)と(2)が(3)の誘導になっている。$\sqrt{2}^{\sqrt{2}}$ が有理数か無理数かが分からないが,分からないからこそ,仮定して色々考えることが重要である。
(i) $\sqrt{2}^{\sqrt{2}}$ が有理数のとき
$x=y=\sqrt{2}$ とすると,$x,~y$ は無理数で,$x^y$ は有理数である。
(ii) $\sqrt{2}^{\sqrt{2}}$ が無理数のとき
$x=\sqrt{2}^{\sqrt{2}},~y=\sqrt{2}$ とすると,$x,~y$ は無理数で,(1)より $x^y$ は有理数である。
(i),(ii)のどちらか一方が正しいが,どちらにせよ $x^y$ が有理数であるような無理数の組 $(x,~y)$ が存在する。
ヒロ
ここでは誘導に乗って証明したが,誘導を無視することも可能である。
ヒロ
それについては,また別の機会に触れることにする。