2つの等差数列の共通項に関する問題を説明します。
条件をみたす数を文字を使って表すと,1次不定方程式に帰着できます。
あとは1次不定方程式の解法を知っているかどうかがポイントとなります。
問題を解いている途中で困らないように,様々な単元の知識をリンクしておくことが重要です。
2020年 東京農業大
2020年 東京農業大7で割ると1余り,11で割ると9余る正の整数を小さい順に並べると,この数列は初項 $\myhako$,公差 $\myhako$ の等差数列である。
【解答と考え方】
まずは条件を満たす整数を文字で表そう。
7で割ると1余る数は,整数 $a$ を用いて $7a+1$ と表せる。また,11で割ると9余る数は,整数 $b$ を用いて $11b+9$ と表せる。これら2数が等しいときを考えると
まずは条件を満たす整数を文字で表そう。
7で割ると1余る数は,整数 $a$ を用いて $7a+1$ と表せる。また,11で割ると9余る数は,整数 $b$ を用いて $11b+9$ と表せる。これら2数が等しいときを考えると
\begin{align*}
&7a+1=11b+9 \\[4pt]
&7a-11b=8~\cdots\cdots①
\end{align*}
不定方程式に帰着されるから,まずは1つの解を見つけよう。見つけにくい場合は式変形しよう。例えば&7a+1=11b+9 \\[4pt]
&7a-11b=8~\cdots\cdots①
\end{align*}
\begin{align*}
&7(a-1)-11b=1
\end{align*}
と変形して,$7\times(-3)-11\times(-2)=1$ であることに気が付くと,$a=-2,~b=-2$ を見つけることができる。このことから①を変形すると&7(a-1)-11b=1
\end{align*}
\begin{align*}
7(a+2)-11(b+2)=0
\end{align*}
となる。7と11は互いに素であるから,$a+2$ が11の倍数である。整数 $k$ を用いて $a+2=11k$ とおくと,$b+2=7k$ と表せる。よって7(a+2)-11(b+2)=0
\end{align*}
\begin{align*}
a=11k-2,~b=7k-2
\end{align*}
求める数を $N$ とするとa=11k-2,~b=7k-2
\end{align*}
\begin{align*}
N&=7(11k-2)+1 \\[4pt]
&=77k-13
\end{align*}
となる。$N$ が正の数となる最小の整数 $k$ は1であるから,この数列の初項は $77-13=64$,公差は77である。N&=7(11k-2)+1 \\[4pt]
&=77k-13
\end{align*}
![ヒロ](https://methodology.site/wp-content/uploads/2019/06/hiro-teacher.png)
ヒロ
1次不定方程式については,次の記事で詳しく解説している。