ここでは不等式の証明問題について説明します。
等式の証明と異なり,ほとんどの場合,不等式の証明はそれより難しいことが多いです。
不等式が成り立つことを証明する際に,両辺の差をとろうとしても,根号や絶対値を含む場合はうまくいかないことがあります。
そのような不等式の証明問題の考え方を知ることで,解ける問題を増やしていきましょう。
Contents
絶対値や根号を含む不等式
ヒロ
絶対値や根号を含む不等式が成り立つことを証明する場合は,両辺を2乗して差をとることが基本。
絶対値や根号を含む不等式 $\abs{a}\geqq\abs{b}$ が成り立つとき, $\abs{a}^2\geqq\abs{b}^2$ が成り立つときであり,逆も成り立つ。したがって,$\abs{a}\geqq\abs{b}$ が成り立つことを示すためには,$\abs{a}^2\geqq\abs{b}^2$ が成り立つことを示せば良い。
また $\sqrt{a}\geqq\sqrt{b}$ が成り立つのは $a\geqq b\geqq0$ が成り立つときであり,逆も成り立つ。したがって,$\sqrt{a}\geqq\sqrt{b}$ が成り立つことを示すためには,$a\geqq b\geqq0$ が成り立つことを示せば良い。
また $\sqrt{a}\geqq\sqrt{b}$ が成り立つのは $a\geqq b\geqq0$ が成り立つときであり,逆も成り立つ。したがって,$\sqrt{a}\geqq\sqrt{b}$ が成り立つことを示すためには,$a\geqq b\geqq0$ が成り立つことを示せば良い。