面倒だと思うa+b+cの3乗の展開も,考え方をしっかりもつことで楽に速く展開することができます。また,複数単元の知識を結びつけることで,1つ1つの知識を強化することができます。
この記事に対応するプリントを作成しました。下のリンクからダウンロードできます。
高校数学の問題は考え方が重要です。
ここでは三項式を展開するときの考え方を丁寧に説明します。まず,$(a+b+c)^2$ と $(a+b+c)^3$ の展開公式は次のようになります。
三項式の展開公式
\begin{align*}
(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca
\end{align*}
(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca
\end{align*}
\begin{align*}
(a+b+c)^3=a^3&+b^3+c^3+3a^2b+3ab^2 \\
&+3b^2c+3bc^2+3c^2a+3ca^2+6abc
\end{align*}
(a+b+c)^3=a^3&+b^3+c^3+3a^2b+3ab^2 \\
&+3b^2c+3bc^2+3c^2a+3ca^2+6abc
\end{align*}
2乗の公式を覚えるのも少し苦労している人にとっては,3乗の公式なんて絶対に覚えることはできないです。しかし,実はこのような公式を覚える必要はありません。
特に,$(a+b+c)^3$ の展開については,$(a+b+c)^2$ の公式を使って,さらに1つずつ掛けて展開していくという方法で展開している人がほとんどです。しかし,数学が得意な人は,もっと楽に速く展開しています。
数学の問題を色々解いていると,ただ面倒なだけな問題ってありますよね?でも,それって本当に面倒なだけで何も得るものがない問題なのでしょうか?数学の問題は考え方をしっかりもつことで,かなり楽に解くことができるものもあります。
ここでは,そんな問題の1つ例として,$(a+b+c)^3$ を展開する問題を考えてみましょう。
Contents
$(a+b+c)^3$ を展開するときに面倒だと感じる原因
この問題メンドクサイな~
ヒロ
どうしたの?
あっ!ヒロ先生,グッドタイミング!この問題を考えてました・・・
問題$(a+b+c)^3$ を展開せよ。
ヒロ
この問題って「分からない」んじゃないでしょ?$(a+b+c)^3$ を展開するなんて「メンドクサイな~」って思ってたんじゃないの?
そうなんですよね・・・$(a+b+c)^2$だったら公式があるから,簡単にできるんですよね。
\begin{align*}
(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca
\end{align*}
(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca
\end{align*}
でも今回は $a+b+c$ の3乗なので公式なんてないじゃないですか。だから1つずつ展開するしかないのかなぁって・・・
\begin{align*}
(a+b+c)^3=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca)
\end{align*}
(a+b+c)^3=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca)
\end{align*}
$a+b+c$ の2乗を展開した後,この式をさらに展開すれば答えが出るのは分かるんですけど,面倒なんですよね。楽に展開する方法ってありますか?
ヒロ
確かにそう考えると面倒だよね?でも,考え方を変えればサクッと楽に速く展開することができるよ!
えっ!簡単に展開する方法があるんですか?