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最高位の数字に関する入試問題【2006年 早稲田大】

最高位の数字が4となるものの個数 2006年 早稲田大 数学IAIIB

指数関数・対数関数の単元で最高位の数字を求める問題を学習しますが,入試問題の中には最高位の数字が4になるものはいくつあるかという問題もあります。

初見では時間もかかるため,私大入試などの空欄補充問題で出題された場合は,解いたことがある人がかなり有利になります。

この記事を読むことで,こういう問題もあるんだというのを知っておきましょう。

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2006年 早稲田大

ヒロ
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それでは次の問題を解いてみよう。

2006年 早稲田大$2^{555}$ は十進法で表すと168桁の数で,その最高位(先頭)の数字は1である。集合 $\{2^n\mid nは整数で1\leqq n\leqq555\}$ の中に,十進法で表したとき最高位の数字が4となるものは全部で $\myhako$ 個ある。

考え方と解答

ヒロ
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よくある最高位の数字を求める問題では,常用対数をとって調べるが,今回の問題ではうまくいかない。

【常用対数をとると】
$2^n$ の常用対数をとると $\log_{10}2^n=n\log_{10}2$ となる。
いま調べるべき $n$ の値は1から555まであるわけで,具体的に代入してそれぞれの小数部分を求めるなんてことはできない。
仮に最高位の数字を求めたところで,4でなければ意味がないし,4になったとしても1個あることが分かっただけで全部で何個あるのかなんてさっぱり分からない。
つまり,最高位の数字が関連しているからといって,何の策もなく常用対数をとっても意味がない。

じゃあどうすれば良いんですか?

ヒロ
ヒロ

問題文に $2^{555}$ の最高位の数字が1だと分かっていることに着目しよう。

ヒロ
ヒロ

2の累乗を扱っているのだから,2をかけていくことで最高位の数字がどのように変化していくのかを調べてみよう。

ヒロ
ヒロ

そこに何らかの法則があれば,個数も分かるかもしれないね。

【$2^n$ の最高位の数字を調べる】
$2^n$ の $n$ を変えて最高位の数字を調べると,次のようになる。
\begin{align*}
\begin{array}{c|cccccccccc}
n & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 \\[4pt]\hline
2^nの最高位 & 2 & 4 & 8 & 1 & 3 & 6 & 1 & 2 & 5 & 1
\end{array}
\end{align*}
2から始まって2倍ずつ4,8と変化していくけど,その次は繰り上がって1になる。
しかし先頭が1でも $n=5$ のときは最高位の数字は2倍の2にならず3になる。これは $2^4=16$ で繰り上がりが起こるから。
同じように $n=8$ から $n=9$ の部分でも繰り上がりが起こって,最高位の数字は2から5に変化していることが分かる。
ヒロ
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具体的に調べることで変化の様子が分かったから,起こり得る最高位の数字の変化を書き出してみよう。

【起こり得る最高位の数字の変化】
$2^n$ の最高位の数字の変化を考える。
\begin{align*}
&1\to 2\to 4\to 8 \\[4pt]
&1\to 2\to 4\to 9 \\[4pt]
&1\to 2\to 5 \\[4pt]
&1\to 3\to 6 \\[4pt]
&1\to 3\to 7
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

このように5種類の変化しかないことが分かるね。

ヒロ
ヒロ

周期に着目してみよう。

1から始まる場合を考えると,上の2つは4つの数字が繰り返されていて,下の3つは3つの数字が繰り返されてますね。

ヒロ
ヒロ

そうだね。

しかも今考えている4が含まれるのは周期が4のものなんですね。

ヒロ
ヒロ

良いところに気が付いたね。

ヒロ
ヒロ

あとはこのサイクルが1つ起こると,繰り上がりが1回起こる,つまり位が1つ上がることを考えれば $2^{555}$ が168桁と与えられている理由も納得いくだろう。

ヒロ
ヒロ

ということで解答を書こう。

【解答】
都合上 $2^n~(n=0,~1,~2,~\cdots,~555)$ と,$2^0=1$ も入れて考える。
1に2を次々とかけていき,桁数が変わるまでの最高位の数字の変化を考えると,次の5通りがあることが分かる。
\begin{align*}
&1\to 2\to 4\to 8 \\[4pt]
&1\to 2\to 4\to 9 \\[4pt]
&1\to 2\to 5 \\[4pt]
&1\to 3\to 6 \\[4pt]
&1\to 3\to 7
\end{align*}
このうち,最高位が4になるものは2を4回かけることによって繰り上がり,最高位が4でないものは2を3回かけることによって繰り上がることが分かる。
よって,1に2を555回かけていくとき,$2^{555}$ が168桁の数で最高位が1であることを考えると,4回かけて繰り上がるのが $k$ 回,3回かけて繰り上がるのが $167-k$ 回起こるとおくことができ,かける2の個数に着目すると
\begin{align*}
&4k+3(167-k)=555 \\[4pt]
&k=54
\end{align*}
したがって,最高位の数字が4となるものは全部で54個ある。
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