成績が上がっているか分からない。
成績が上がらない理由が分からない。
あなたにこのような悩みがあれば,この記事を読むことで解決できるかもしれません。
どんなことでも当てはまりますが,努力と成果は比例の関係にはならず,努力しただけその成果が現れるということはありません。
努力量と得られる成果の正しい関係を知ることで,勉強するモチベーションを保つことができる可能性が高くなります。
Contents
成果は努力に比例しない
次のグラフのように,勉強した分だけ,成績が上がれば精神的にも楽なのですが,実際にはそんなに単純ではありません。
実際の成績が上がっていく様子は,次のような曲線を描くことが多いです。
このグラフには色々な特徴があります。それらの特徴について,1つずつ説明していきます。
①の期間(停滞期)
最初のうちは,勉強しても成果はほとんど現れません。そのため「勉強方法が合っているのだろうか?」などと余計なことを考えてしまう人もいます。
したがって,この最初の期間は挫折しやすい期間とも言えます。
しかし,正しい勉強方法で勉強していたとしても,初めのうちは成果がほとんど出ないことを知っておくと,変な迷いもなくなるでしょう。
この状態がどれくらいの間続くのかは人によりますが,一般的に停滞期は3か月程度続くと思って勉強しましょう。
②の期間(成長期)
成果の出ない①の期間を過ぎると,少しずつ成果が現れてきているかなという手ごたえを感じることができるようになります。
その後,ブレイクポイント(B.P.)に到達すると,それまでの努力が表面化して,勉強した分だけ成果が現れるようになります。
勉強すればするほど伸びていく感覚があるため,楽しく感じる時期でもあります。また「俺はできる!」とか「私はできる!」と勘違いしてしまう時期でもあります。
③の期間(プラトー現象)
②の成長期にいるときには思いもしなかったプラトー現象と呼ばれる停滞期間が訪れます。
これが③の期間であり,高原(plateau)のようになっていることから,プラトー現象と呼ばれます。
このプラトー現象は誰にでも訪れるものです。したがって,突然成績が上がらなくなっても,プラトー現象なんだなと思うことで,何とか頑張ることができます。
勉強しても成績が上がらないのは苦しいですが,これを乗り切れば,さらに伸びる時期が来ると信じて頑張りましょう。
④の期間(正の加速度曲線)
プラトー期を乗り越えれば,またブレイクポイントが来ます。B.P.付近はグラフが下に凸になっている部分は,正の加速度になっているため,成績がぐんぐん伸びていきます。
2回目の成長期は1回目と比べて,大きく伸びることが多いです。
⑤の期間(負の加速度曲線)
しばらくすると,グラフが上に凸になり,勉強量の割に伸びにくくなってきます。
これ以上の伸びしろがない場合は,成熟期となります。あとは忘れないよう適度に復習することで高いレベルを維持することができます。
まだまだ伸びしろがある場合は,またプラトーになるかもしれないし,緩やかに上昇するかもしれません。
最初の停滞期を乗り越えられるかどうかがすべて
上で説明した流れはあくまでも一例だと考えて下さい。
最初の①の停滞期の長さも人によって変わります。また,プラトーの訪れる時期についても,人によって変わります。
しかし,最も大切なのは,最初の停滞期を乗り越えることです。ただ,最初の停滞期を乗り越えるのが最も難しいのも事実です。
やる気を出す方法の記事で,勉強を始めた最初の5分が重要だと書きましたが,長いスパンで見たときには,最初の停滞期が勉強を始めた最初の5分のようなものだと考えましょう。
したがって,何とか頑張って最初の停滞期を乗り越えられるようにしましょう。
最初の停滞期を乗り越える方法
最初の停滞期を乗り越える3つの方法を伝えておきます。
最初の3か月くらいは成績が上がらないことを知る
勉強をして,どのように成績が上がっていくかを知らない場合,最初の停滞期があることも知らない可能性が高いです。
そのため,頑張って勉強しても成績が上がらない停滞期の間に,成果が出ないことで嫌になって勉強を辞めてしまうこともあるでしょう。
しかし,元々最初の3か月くらいは成績が上がらないことを知っておくことで,頑張って勉強を続けるモチベーションにつながります。
停滞期後の成績上昇に期待しよう
最初の停滞期の存在を知ったところで,やはり成績が上がらない時期は辛いものです。
しかし,大きくジャンプするためには,一旦足を曲げて力を蓄えないといけないように,成績を大きく伸ばすためには,そのための準備が必要だと考えましょう。
停滞期は辛いものですが,長ければ長いだけ,その後の成績上昇が大きくなる場合があります。
成績がぐんぐん伸びる姿を想像してワクワクしながら勉強しましょう。
励ましてくれる人の存在
勉強してもまったく成果が出ないのは分かっていても辛いです。
そういうときに励ましてくれる人がいるだけで,かなり心強くなります。苦しいときに励ましてくれるような人がいる環境にいることも重要です。
指導していた生徒の例
最後に,今までに指導してきた生徒の一例を紹介しておきます。高校1年生の秋頃に入塾して,その時点では学年約400人中380番くらいでした。
最初の面談で「志望大学は京都大学です」とはっきり言われたのを覚えています。高1の冬なら間に合うので「今からしっかりやってくれれば行けるでしょう」と答えました。
約3か月後の2年生の春の時点では,成績はほとんど変わってませんでした(最初の停滞期)が,指示した内容をしっかりやっていたことを面談で確認できていたため,そのまま続けるように指示しました。
それから半年後の8月頃には,平均点を超えるようになってきました。停滞期を過ぎて成績が伸びたということです。9月から本格的に受験勉強を始めるように指示しました。
高2の冬休みに入るころには,それなりに伸びてるなと,僕も感じることができました。しかし,京都大学合格まではまだまだ足りないことは明らかでした。
その3か月後の高3の春期講習のときに感じたのですが,まったく別人になってました。この3か月の間に何があったのかというくらいの成績の伸びを感じました。その頃には,塾の中でも一目を置かれるような存在になっていました。これは2回目の成長期で爆発的に成績が伸びた時期です。
高3の夏の時点で,学年1位になりました。ただ,学年トップでも京都大学合格はまだ厳しい状態です。
秋の模試では,1位から転落してしまいましたが,最後の模試では,また1位になっていました。後から聞いて分かったことですが,短い停滞期があったみたいで苦しかったみたいです。
その後も順調に伸びていき,見事,京都大学に合格しました。
実は,この生徒は高校入試で失敗して,適当に高校生活を送っていました。しかし,1年の秋頃に,大学入試でリベンジをしたいと思って塾に来たようです。
最初のうちはまったく成績は上がりませんでしたが,それでも辞めることなく勉強してくれたことが,その後の成績の伸びに大きく関与したのは言うまでもありません。
また,指示した内容をただこなすだけではなく,終了予定日より速く終わらせて,その都度次の指示を聞きに来るくらい熱心に取り組んでくれていました。
この生徒の例は,非常にうまくいった例ですが,最初の停滞期は当然ありました。また,爆発的に伸びるのも目の当たりにしましたし,その後の停滞期があるのも見ていました。
合格後にその生徒に話を聞いたときは,成績が上がらず苦しいときに,適切なアドバイスや応援の言葉をかけてもらったことが,勉強を続けるモチベーションの1つになったと言われました。
成績上昇のためには,それに関わる様々な知識があった方が良いのですが,そういうことを分かっていても,苦しいときに励ましてくれる人がいることも大きいのだと思います。
この記事を読んでいるあなたにとって,役に立つ記事であることを願います。