成績を上げるためには自宅学習!

数学の解説動画の作成開始しました。
チャンネル登録お願いいたします。

動画ページへ

【数学ⅡB】3次関数の極値【東京電機大・大阪工業大・早稲田大】

3次関数の極値 数学IAIIB
スポンサーリンク

関数の極値とは

極値とは極大値と極小値をまとめて極値という。
ヒロ
ヒロ

解答者は極大値と極小値を使い分けることが多いが,出題者にとっては「極値」は便利な単語だ。

ヒロ
ヒロ

例えば極大値は存在するが極小値が存在しない場合,極小値が存在しないことを隠して,「次の関数の極値を求めよ。」のように出題できる。

ヒロ
ヒロ

この問題に対して,解答者は極大値の値を答えるのは当然として,極小値が存在しないことまで答えないといけない。

ヒロ
ヒロ

つまり,解答者は極大と極小が存在するかどうかを意識して,問題を解かなければならないということである。

関数の極値を調べる方法

ヒロ
ヒロ

関数が絶対値記号を含む場合は,尖っている点があり,その点で極大になるか極小になるかは,グラフを見て判断すればよい。

ヒロ
ヒロ

尖っている点がなければ,関数 $f(x)$ が $x=a$ で極値をとるためには,$f'(a)=0$ となることが必要条件となる。しかし,$f'(a)=0$ となるからといって,$x=a$ で必ず極値をとるとは限らない。

【極値とならない例】
関数 $f(x)=x^3$ のグラフは次のようになっている。
f'(a)=0だけど極大でも極小でもない
$f'(x)=3x^2$ であるから,$f'(0)=0$ となる。しかし,$x=0$ の前後で増減は変わらず,単調増加している。したがって,$f(x)$ は $x=0$ で極値をとるとはいえない。
ヒロ
ヒロ

以上のことをまとめると次のようになる。

極値の調べ方1. $f'(x)=0$ となる点と絶対値記号などが原因で尖っている点を求める。
2. 1.で求めた点について,その前後で増減が変化していれば極値となる。具体的には,増加から減少に変化していれば極大,減少から増加に変化していれば極小である。

関数の極大値を求める問題【東京電機大】

2020年 東京電機大関数 $f(x)=x(x-2)(x+2)$ の極大値を求めよ。
【解答と考え方】
$f'(x)$ を求めるときに,積の微分法を用いても良いが,展開した方が楽だろう。$(x+2)(x-2)=x^2-4$ と簡単に展開できるから,各項に $x$ を掛けるだけ(次数を1上げるだけ)で展開できる。この計算は暗算でできるようになるだろう。
\begin{align*}
f(x)&=x(x+2)(x-2) \\[4pt]
&=x^3-4x
\end{align*}
このとき
\begin{align*}
f'(x)=3x^2-4
\end{align*}
となるから $f'(x)=0$ を解くと,$x=\pm\dfrac{2}{\sqrt{3}}$
よって,$f(x)$ の増減は次のようになる。
\begin{align*} \begin{array}{|c||c|c|c|c|c|}\hline x & \cdots & -\dfrac{2}{\sqrt{3}} & \cdots & \dfrac{2}{\sqrt{3}} & \cdots \\\hline f'(x) & + & 0 & – & 0 & + \\\hline f(x) & \nearrow & 極大 & \searrow & 極小 & \nearrow \\\hline \end{array} \end{align*}
よって,求める極大値は
\begin{align*}
f\left(-\dfrac{2}{\sqrt{3}}\right)&=-\dfrac{2}{\sqrt{3}}\left(\dfrac{4}{3}-4\right) \\[4pt]
&=-\dfrac{2\sqrt{3}}{3}\Cdota\left(-\dfrac{8}{3}\right) \\[4pt]
&=\dfrac{16\sqrt{3}}{9}
\end{align*}

関数の極値を求める問題【大阪工業大】

2020年 大阪工業大関数 $f(x)=2ax^3-3(a+1)x^2+6x$ について,次の問いに答えよ。ただし,$a$ は $0<a<1$ を満たす実数とする。
(1) $f(x)$ を微分せよ。
(2) $f(x)$ の増減を調べ,極値を求めよ。
【(1)の解答と考え方】
計算間違いをしないように微分しよう。
$f(x)=2ax^3-3(a+1)x^2+6x$ のとき
\begin{align*}
f'(x)=6ax^2-6(a+1)x+6
\end{align*}
【(2)の解答と考え方】
まずは $f'(x)=0$ となる $x$ を求めて増減表を書こう。
$f'(x)$ の各項が6を因数にもつから,$f'(x)=0$ を解くときには,両辺を6で割ろう。
\begin{align*}
&ax^2-(a+1)x+1=0 \\[4pt]&(x-1)(ax-1)=0 \\[4pt]&x=1,~\dfrac{1}{a}
\end{align*}
たすきがけで因数分解しても良いし,$a$ について整理して因数分解しても良い。$a$ について整理した場合は次のように $x-1$ でくくれることがすぐに分かる。
\begin{align*}
&(x^2-x)a-x+1=0 \\[4pt]&x(x-1)a-(x-1)=0 \\[4pt]&(x-1)(ax-1)=0
\end{align*}

増減表を書くためには,1と $\dfrac{1}{a}$ の大小関係を考えなければならない。与えられている $a$ の条件を利用することを考えよう。
$0<a<1$ のとき,$a$ は正であるから,$\dfrac{1}{a}$ も正である。また,$a<1$ であるから,両辺を $a~(>0)$ で割ると,$1<\dfrac{1}{a}$ となる。まとめると,$\dfrac{1}{a}>1$ となるが,解答にはこんなに丁寧に書かずに,一気に,$\dfrac{1}{a}>1$ と書いてしまって良い。これで1と $\dfrac{1}{a}$ の大小関係が分かったから増減表を書くことができる。
\begin{align*} \begin{array}{|c||c|c|c|c|c|}\hline x & \cdots & 1 & \cdots & \dfrac{1}{a} & \cdots \\\hline f'(x) & + & 0 & – & 0 & + \\\hline f(x) & \nearrow & 極大 & \searrow & 極小 & \nearrow \\\hline \end{array} \end{align*}
$x=1$ のとき
\begin{align*}
f(1)=2a-3(a+1)+6=-a+3
\end{align*}
$x=\dfrac{1}{a}$ のとき
\begin{align*}
f\left(\dfrac{1}{a}\right)&=\dfrac{2a}{a^3}-\dfrac{3(a+1)}{a^2}+\dfrac{6}{a} \\[4pt]&=\dfrac{2-3(a+1)+6a}{a^2}=\dfrac{3a-1}{a^2}
\end{align*}
極大値は $f(1)=-a+3$,極小値は $f\left(\dfrac{1}{a}\right)=\dfrac{3a-1}{a^2}$

関数の極値に関する問題【早稲田大】

2020年 早稲田大$a,~b$ を定数とする。関数 $f(x)=x^3-3ax^2+12x+b$ が極大値および極小値をとるために,定数 $a,~b$ が満たすべき条件を求めよ。
【考え方】
 話をしやすいように,$x=\alpha,~\beta~(\alpha\neq\beta)$ でそれぞれ極大値,極小値をとるとする。関数 $f(x)$ が極大値および極小値をとるためには $f'(\alpha)=f'(\beta)=0$ が成り立つことが必要である。これは $f'(x)=0$ の2つの解が $x=\alpha,~\beta$ であると言い換えることができる。
 便宜上,$\alpha,~\beta$ と定めただけだから,$f'(x)=0$ が異なる2つの実数解をもつことが必要ということになる。あとは2つの解の前後で $f'(x)$ の符号が変化していれば,問題文で与えられた条件を満たすことになる。
 ここで,$f(x)$ は3次関数であるから,$f'(x)$ は2次関数となる。したがって,$f'(x)=0$ の実数解は放物線 $y=f'(x)$ と $x$ 軸との交点の $x$ 座標を表す。交点の前後で $f'(x)$ の符号は必ず変わるから,$f'(x)=0$ が異なる2つの実数解をもつことが,関数 $f(x)$ が極大値と極小値をとるための必要条件であり,十分条件であることが分かる。
 今回の問題のように,十分性を確認することが簡単であるときは,「問題文の条件を満たすのは○○のときである」とサクッと書いてしまえば良い。
ヒロ
ヒロ

このような考え方をもとに,解答を書くと次のようになる。

【解答】
$f(x)=x^3-3ax^2+12x+b$ のとき
\begin{align*}
f'(x)&=3x^2-6ax+12 \\[4pt]&=3(x^2-2ax+4)
\end{align*}
$f(x)$ が極大値および極小値をとるのは,$f'(x)=0$ が異なる2つの実数解をもつときである。
$x^2-2ax+4=0$ の判別式を $D$ とすると $\dfrac{D}{4}>0$ であるから
\begin{align*}
&a^2-4>0 \\[4pt]&a<-2,~2<a
\end{align*}
よって,求める定数 $a,~b$ が満たすべき条件は
\begin{align*}
a<-2,~2<a
\end{align*}

 

 この問題の解答として,「$a<-2,~2<a$,$b$ は任意の実数」と書く人もいるだろうが,$b$ については記述をしなくても構わない。「書いていないことが原因で減点されてしまうかも?」と不安な気持ちになる人は $b$ について書いておけば良い。
タイトルとURLをコピーしました