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漸化式パターン7:$a_{n+1}=f(n)a_n+g(n)$ 型の解法 part1

漸化式パターン7 part1数学IAIIB
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ここでは,まず $g(n)=0$ の漸化式 $a_{n+1}=f(n)a_n$ の解法を説明します。一見すると等比型の様な漸化式ですが,$a_n$ の係数が $n$ の式になっているため,$n$ の値によって,掛けられる値が異なるため,等比数列にはなりません。

$a_{n+1}-a_n=f(n)$ の漸化式を階差型と呼ぶことから,このパターン7の漸化式を階比型と呼ぶ人もいます。命名の仕方については色々な意見があるでしょうけど,このサイトでも階比型と呼ぶことにします。

階差型ではシグマ計算ができるかどうかが重要でした。このパターン7(階比型)では $f(n)$ の形に応じて,様々な対処法を覚えておくことが重要です。誘導があれば,その誘導に従うことで比較的簡単に解くことができます。しかし誘導がなくて対処法を知らなければ,泥臭い計算をする羽目になってしまいます。

そうならないためにも,ここでしっかりポイントを押さえておきましょう。

それでは最初の問題はこちら。

2007年 成蹊大初項が $a_1=1$ で漸化式 $a_{n+1}=\dfrac{n+1}{2n}a_n$$~(n=1,2,3,\cdots)$ によって定められた数列 $\{a_n\}$ の一般項は $a_n=\myhako$ である。このとき $a_n-a_{n+1}=\myhako$ であるので,この数列は $n\geqq2$ に対して $a_{n+1}=a_n-\myhako\times a_{n-1}$ という漸化式を満たす。
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漸化式パターン7の基本的な考え方

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漸化式パターン7の基本的な考え方のポイントを押さえよう。

パターン7の基本的な考え方

$g(n)a_n=b_n$ と置き換えたときに $b_{n+1}=rb_n$($r$ は定数) となる $g(n)$ を見つける。

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一言で $g(n)$ を見つけると言っても,$f(n)$ の形によって見つけ方が異なるため,考え方をしっかり理解することが重要になる。

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基本的に,大きいものを左辺に,小さいものを右辺に集めることを考えよう。ここで「大きい」とか「小さい」という言葉は相対的なものであるから,何か2つのものを比較したときでないと,「こちらが大きい」とは言えないことにも注意しておこう。

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さて,今回の $a_n$ に掛かっている $f(n)$ は $f(n)=\dfrac{n+1}{2n}$ という分数の形をしているが,分母の定数の2は $\dfrac{1}{2}$ が前に掛かっているだけと考えることができるから無視して考える。その上で,分母と分子に着目すると $n+1$ と $n$ となるため,$n+1$ が大きいものとなる。したがって,$n+1$ を左辺へ移すことを考える。つまり,両辺を $n+1$ で割ることが最初にすることになる。

$a_{n+1}=\dfrac{n+1}{2n}a_n$ の両辺を $n+1$ で割ると
\begin{align*}
\dfrac{a_{n+1}}{n+1}=\dfrac{1}{2}\Cdota\dfrac{a_n}{n}
\end{align*}
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ここで $\dfrac{a_n}{n}=b_n$ とおいたとき $\dfrac{a_{n+1}}{n+1}=b_{n+1}$ と表せることがすぐに分かるようにしよう。この $\dfrac{a_n}{n}$ と $\dfrac{a_{n+1}}{n+1}$ を当サイトでは「同じ形」と表現することにする。

$\dfrac{a_n}{n}=b_n$ とおくと
\begin{align*}
b_{n+1}=\dfrac{1}{2}b_n
\end{align*}
となるから,数列 $\{b_n\}$ は公比 $\dfrac{1}{2}$ の等比数列である。
$b_1=\dfrac{a_1}{1}=1$ であるから,
\begin{align*}
b_n=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}
\end{align*}
$a_n=nb_n$ より,$a_n=n\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}$
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後半は一般項から隣接三項間漸化式を作る問題。誘導に乗って解いていこう。

$a_n=n\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}$ より
\begin{align*}
a_n-a_{n+1}&=n\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}-(n+1)\left(\dfrac{1}{2}\right)^n \\[4pt]&=\{2n-(n+1)\}\left(\dfrac{1}{2}\right)^n \\[4pt]&=(n-1)\left(\dfrac{1}{2}\right)^n
\end{align*}
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最後は $a_{n-1}$ が出てくるようにうまく変形しよう。

\begin{align*}
a_{n+1}&=a_n-(n-1)\left(\dfrac{1}{2}\right)^n \\[4pt]&=a_n-(n-1)\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-2}\Cdota\left(\dfrac{1}{2}\right)^2 \\[4pt]&=a_n-\dfrac{1}{4}a_{n-1}
\end{align*}

足りないものを補う

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次はこの問題をやってみよう。

2009年 立命館大$a_1=1,~a_{n+1}=\left(1+\dfrac{2}{n}\right)a_n$$~(n\geqq1)$ をみたす数列 $\{a_n\}$ がある。この数列の一般項を求めると $a_n=\myhako$ である。
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さっきと同じように大きいものを左辺へ,小さいものを右辺へ集めることがを考えよう。

$a_{n+1}=\left(1+\dfrac{2}{n}\right)a_n$ より
\begin{align*}
a_{n+1}=\dfrac{n+2}{n}a_n
\end{align*}
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まずは $n+2$ を左辺へもっていきたいから,両辺を $n+2$ で割ろう。

\begin{align*}
\dfrac{a_{n+1}}{n+2}=\dfrac{a_n}{n}
\end{align*}
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しかし,これではさっきのように同じ形には表せていない。$\dfrac{a_n}{n}=b_n$ とおいても左辺が $b_{n+1}$ となっていないから,さらに変形する必要がある。ここで漸化式がどうなっているかを細かく見よう。

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右辺は $a_n$ の添字 $n$ と分母 $n$ が一致している。それに対して,左辺は $a_{n+1}$ の添字 $n+1$ と分母 $n+2$ は1つずれている。右辺を基準に見れば,左辺の分母には $n+1$ が必要。左辺を基準に見れば,右辺の分母には $n+1$ が必要。つまり両辺の分母には $n+1$ が必要だということ。

2009年 立命館大 漸化式
$\dfrac{a_{n+1}}{n+2}=\dfrac{a_n}{n}$ の両辺を $n+1$ で割ると
\begin{align*}
\dfrac{a_{n+1}}{(n+1)(n+2)}=\dfrac{a_n}{n(n+1)}
\end{align*}
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これで両辺が同じ形になったね。

数列 $\left\{\dfrac{a_n}{n(n+1)}\right\}$ は定数列であるから
\begin{align*}
&\dfrac{a_n}{n(n+1)}=\dfrac{a_1}{1\Cdot2} \\[4pt]
&a_n=\dfrac{1}{2}n(n+1)
\end{align*}
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この問題のように足りないものを補う考え方をマスターしよう。

漸化式パターン7(階比型)の解法

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パターン7(階比型)は次のように解こう。

$a_{n+1}=f(n)a_n$ 型の解法
  1. $g(n)a_n=b_n$ とおいたときに $b_{n+1}=rb_n$ となる $g(n)$ を見つける。
  2. 等比型か定数列になることから $b_n$ を求める。
  3. $a_n=\dfrac{b_n}{g(n)}$ より $a_n$ を求める。

練習問題

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では次の問題をやってみよう。

2015年 滋賀県立大数列 $\{a_n\}$ とその階差数列 $\{b_n\}$ に対して,
\begin{align*}
a_1=1,~\dfrac{a_n}{n}=(3n-2)b_{n-1}~(n=2,3,\cdots)
\end{align*}
が成り立っているとする。
(1) $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。
(2) 極限 $\dlim{n\to\infty}\Sum{k=1}{n}b_k$ を求めよ。
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(1)については,まず $\{a_n\}$ の漸化式に変形しよう。

【(1)の解答】
数列 $\{a_n\}$ の階差数列が $\{b_n\}$ であるから,$n\geqq2$ のとき
\begin{align*}
b_{n-1}=a_n-a_{n-1}
\end{align*}
となる。よって,与えられた漸化式より
\begin{align*}
&\dfrac{a_n}{n}=(3n-2)(a_n-a_{n-1}) \\[4pt]
&a_n=n(3n-2)a_n-(3n-2)na_{n-1} \\[4pt]
&(3n^2-2n-1)a_n=(3n-2)na_{n-1} \\[4pt]
&(n-1)(3n+1)a_n=(3n-2)na_{n-1}
\end{align*}
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ここで $3n+1$ と $3n-2$ の関係を考えよう。$n$ の係数が3で,この2数の差が3ということは,$n$ が1つずれただけということが分かるはず。

【(1)の解答の続き】
\begin{align*}
\dfrac{3n+1}{n}a_n=\dfrac{3(n-1)+1}{n-1}a_{n-1}
\end{align*}
数列 $\left\{\dfrac{3n+1}{n}a_n\right\}$ は定数列であるから
\begin{align*}
&\dfrac{3n+1}{n}a_n=4a_1 \\[4pt]
&a_n=\dfrac{4n}{3n+1}
\end{align*}
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(2)はシグマ計算と極限の計算。

【(2)の解答】
\begin{align*}
&\dlim{n\to\infty}\Sum{k=1}{n}b_k=\dlim{n\to\infty}\Sum{k=1}{n}(a_{k+1}-a_k) \\[4pt]
&=\dlim{n\to\infty}(a_{n+1}-a_1) \\[4pt]
&=\dlim{n\to\infty}\left\{\dfrac{4(n+1)}{(3+1)n+1}-1\right\} \\[4pt]
&=\dlim{n\to\infty}\left(\dfrac{4+\dfrac{4}{n}}{3+\dfrac{4}{n}}-1\right) \\[4pt]
&=\dfrac{4}{3}-1 \\[4pt]
&=\dfrac{1}{3}
\end{align*}

練習問題2

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ではもう1問やってみよう。

2010年 同志社大次の問いに答えよ。
(1) 数列 $\{a_n\}$ は $a_1=1,~a_n=\dfrac{n-1}{n+1}a_{n-1}$$~(n\geqq2)$ をみたしている。$\{a_n\}$ の一般項を $n$ を用いて表せ。
(2) 数列 $\{b_n\}$ は $b_1=1,~b_n=\dfrac{n^2+n+1}{n^2-n+1}b_{n-1}$$~(n\geqq2)$ をみたしている。$\{b_n\}$ の一般項を $n$ を用いて表せ。
(3) 数列 $\{c_n\}$ は $c_1=1,~c_n=\dfrac{n^3-1}{n^3+1}c_{n-1}$$~(n\geqq2)$ をみたしている。$\{c_n\}$ の一般項を $n$ を用いて表せ。
(4) 上の(3)の数列 $\{c_n\}$ に対し,$S_n=\Sum{k=1}{n}c_k$ を $n$ を用いて表せ。
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(1)は相対的な大小を考えて変形していこう。

【(1)の解答】
$a_{n+1}=\dfrac{n-1}{n+1}a_{n-1}$ より
\begin{align*}
&(n+1)a_n=(n-1)a_{n-1} \\[4pt]&n(n+1)a_n=(n-1)na_{n-1}
\end{align*}
となる。数列 $\{n(n+1)a_n\}$ は定数列となるから
\begin{align*}
&n(n+1)a_n=1\Cdota2\Cdota a_1 \\[4pt]&a_n=\dfrac{2}{n(n+1)}
\end{align*}
ヒロ
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(2)も同じように考えよう。

【(2)の解答】
$b_n=\dfrac{n^2+n+1}{n^2-n+1}b_{n-1}$ より
\begin{align*}
\dfrac{b_n}{n^2+n+1}=\dfrac{b_{n-1}}{n^2-n+1}
\end{align*}
ヒロ
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ここで,「同じ形になってるかどうか」を確認しよう。

$n^2+n+1$ の $n$ を $n-1$ とすると
\begin{align*}
(n-1)^2+(n-1)+1=n^2-n+1
\end{align*}

分母は $n$ を $n-1$ に変えたものになってるんですね!

ヒロ
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良心設計だね。出題者に感謝しよう。あとは同じ形と採点者に分かるように答案を書くだけだね。

【(2)の解答の続き】
\begin{align*}
\dfrac{b_n}{n^2+n+1}=\dfrac{b_{n-1}}{(n-1)^2+(n-1)+1}
\end{align*}
よって,数列 $\left\{\dfrac{b_n}{n^2+n+1}\right\}$ は定数列となるから
\begin{align*}
&\dfrac{b_n}{n^2+n+1}=\dfrac{b_1}{1^2+1+1} \\[4pt]&b_n=\dfrac{1}{3}(n^2+n+1)
\end{align*}
ヒロ
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最後の(3)は(1),(2)と問題を見てきて $n^3+1$ や $n^3-1$ を見たときに何を思うか?というのが重要だね。

因数分解ですね。

ヒロ
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それが分かってれば大丈夫。

【(3)の解答】
$c_n=\dfrac{n^3-1}{n^3+1}c_{n-1}$ より
\begin{align*}
&c_n=\dfrac{(n-1)(n^2+n+1)}{(n+1)(n^2-n+1)}c_{n-1} \\[4pt]&\dfrac{n+1}{n^2+n+1}c_n=\dfrac{n-1}{n^2-n+1}c_{n-1} \\[4pt]&\dfrac{n(n+1)}{n^2+n+1}c_n=\dfrac{(n-1)n}{(n-1)^2+(n-1)+1}c_{n-1}
\end{align*}
よって,数列 $\left\{\dfrac{n(n+1)}{n^2+n+1}c_n\right\}$ は定数列となるから
\begin{align*}
&\dfrac{n(n+1)}{n^2+n+1}c_n=\dfrac{1\Cdot2}{1^2+1+1}c_1 \\[4pt]&c_n=\dfrac{2(n^2+n+1)}{3n(n+1)}
\end{align*}
ヒロ
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最後の(4)は(3)まで解けた人へのボーナスだね。(2)を解けない人は(3)も解けないだろう。ということは(4)は(3)まで解けた人だけが挑戦できる問題ってこと。

ということは(4)が出来れば,さらに有利になりますね。

ヒロ
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そういうこと。分数式の和の計算なので差の形にすれば求められるはずだね。

ヒロ
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分数式を見たときに最初に何をするのか覚えてる?

次数チェックです。今回は分母と分子が両方とも2次式なので次数を下げないとダメですね。

ヒロ
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大丈夫みたいだね。じゃあやっていこう。

【(4)の解答】
(3)の結果より
\begin{align*}
c_n&=\dfrac{3(n^2+n+1)}{2n(n+1)} \\[4pt]&=\dfrac{3}{2}\left\{1+\dfrac{1}{n(n+1)}\right\} \\[4pt]&=\dfrac{3}{2}\left(1+\dfrac{1}{n}-\dfrac{1}{n+1}\right)
\end{align*}
となるから
\begin{align*}
&S_n=\Sum{k=1}{n}\dfrac{3}{2}\left(1+\dfrac{1}{k}-\dfrac{1}{k+1}\right) \\[4pt]&S_n=\dfrac{3}{2}\left(n+1-\dfrac{1}{n+1}\right)
\end{align*}

まとめ

ヒロ
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パターン7の漸化式を変形するときには,同じ形で表すことを意識して,相対的に大きいものを左辺へ,小さいものを右辺へ集めるようにしよう。また,足りないものを補って同じ形が現れるように変形していこう。

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