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【数学ⅡB】相加平均・相乗平均の関係【星薬科大・慶應義塾大】

相加・相乗平均の関係 数学IAIIB
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相加・相乗平均の関係を利用して最小値を求める問題【星薬科大】

2019年 星薬科大$a>0,~b>0$ のとき,$\left(\dfrac{a}{2}+\dfrac{3}{b}\right)\left(\dfrac{4}{a}+\dfrac{b}{6}\right)$ の最小値は $\dfrac{\myhako}{\myhako}$ である。
ヒロ
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分数式の最小値を求める問題では,相加・相乗平均の関係を利用することを検討してみよう。

【考え方と解答】
\begin{align*}
(与式)&=\dfrac{ab}{12}+\dfrac{12}{ab}+\dfrac{5}{2}
\end{align*}
$a,~b$ が正であるから,相加・相乗平均の関係より
\begin{align*}
&\dfrac{ab}{12}+\dfrac{12}{ab}\geqq2\sqrt{\dfrac{ab}{12}\Cdota\dfrac{12}{ab}}=2 \\[4pt]
&\dfrac{ab}{12}+\dfrac{12}{ab}+\dfrac{5}{2}\geqq2+\dfrac{5}{2}=\dfrac{9}{2}
\end{align*}
ここで,等号が成り立つのは $\dfrac{ab}{12}=\dfrac{12}{ab}=1$ すなわち $ab=12$ のときである。
 よって,求める最小値は $\dfrac{9}{2}$ である。

相加・相乗平均の関係を利用して最小値を求めるときの注意点

ヒロ
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最初の問題で,与式を展開せずに同じようにすると,解答は次のようなどこかおかしいものになる。

$a>0,~b>0$ のとき,$\left(\dfrac{a}{2}+\dfrac{3}{b}\right)\left(\dfrac{4}{a}+\dfrac{b}{6}\right)$ の最小値は $\dfrac{\myhako}{\myhako}$ である。

【何かがおかしい解答?】
$a,~b$ が正であるから,相加・相乗平均の関係より
\begin{align*}
\dfrac{a}{2}+\dfrac{3}{b}\geqq2\sqrt{\dfrac{3a}{2b}}~\cdots\cdots① \\[4pt]
\dfrac{4}{a}+\dfrac{b}{6}\geqq2\sqrt{\dfrac{2b}{3a}}~\cdots\cdots②
\end{align*}
①,②の辺々をかけて
\begin{align*}
\left(\dfrac{a}{2}+\dfrac{3}{b}\right)\left(\dfrac{4}{a}+\dfrac{b}{6}\right)\geqq4~\cdots\cdots③
\end{align*}
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③を見ると,最小値は4だと思ってしまう。

ヒロ
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しかも,どこも間違えているようには思えず,何が悪いのか分からなくなる。

ヒロ
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また「解き方によって解答が異なる」という訳の分からないことになってしまう。

【何がおかしいのか?】
等号が成立するときに着目しよう。③の等号が成り立つのは,①と②の等号が同時に成り立つときである。
 ①の等号が成り立つのは $\dfrac{a}{2}=\dfrac{3}{b}$ すなわち $ab=6$ のときである。また,②の等号が成り立つのは $\dfrac{4}{a}=\dfrac{b}{6}$ すなわち $ab=24$ のときである。
 つまり,①と②の等号が同時に成り立つことはないから,③の等号が成り立つこともない。
$\left(\dfrac{a}{2}+\dfrac{3}{b}\right)\left(\dfrac{4}{a}+\dfrac{b}{6}\right)$ は4以上の値をとると言えるが,実際には4になることはないということ。したがって,$\left(\dfrac{a}{2}+\dfrac{3}{b}\right)\left(\dfrac{4}{a}+\dfrac{b}{6}\right)$ の最小値が4であるとは言えない。
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ということで,相加・相乗平均の関係を利用して,最小値や最大値を求めるときは「等号が成り立つときが存在するかどうか」に注意するようにしよう。

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また一般的に,「積が一定」のときは,相加・相乗平均の関係を利用することで最小値を求められる。

相加・相乗平均の関係を利用して最大値を求める問題【慶應義塾大】

2020年 慶應義塾大正の実数 $x$ と $y$ が $9x^2+16y^2=144$ を満たしているとき,$xy$ の最大値は $\myhako$ である。
【考え方と解答】
 今回,与えられている条件は「和が一定」である。この場合は,相加・相乗平均の関係をうまく利用することで,$xy$ の最大値を求めることができる。
 $x$ と $y$ が正であるから,相加・相乗平均の関係より
\begin{align*}
&\dfrac{9x^2+16y^2}{2}\geqq\sqrt{9x^2\Cdota16y^2} \\[4pt]&\dfrac{144}{2}\geqq\abs{12xy} \\[4pt]&xy\leqq6
\end{align*}
等号が成り立つのは,$9x^2=16y^2=72$ すなわち $x=2\sqrt{2},~y=\dfrac{3\sqrt{2}}{2}$ のときである。
 よって,求める $xy$ の最大値は6である。
ヒロ
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分数関数の最大値や最小値を求める問題において,相加・相乗平均の関係を利用することが多いが,等号成立条件を常に確かめるようにしよう。

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