既約分数の和に関する問題を説明します。
既約分数の和の問題は教科書傍用問題集などでもよく扱われる問題で実際の入試問題にも出題されます。
入試問題としては基本レベルですから,出題された場合は完璧に解く必要があるでしょう。
既約分数とはどのような分数かを知り,その和をどのようにして求めるのか理解しましょう。
2019年 昭和薬科大
2019年 昭和薬科大1以上50以下の5を分母とする既約分数の総和は $\myhako$ である。
プリントを次のリンクからダウンロードできます。
ヒロ
まず,既約分数とはどのような分数かを知ろう。
既約分数分母と分子が互いに素(最大公約数が1)になっていて,それ以上約分できない分数。
【解答と考え方】
とりあえず全部加えて,条件に合わないものを引く方法で考える。1以上50以下の数を5を分母とする分数で表すと,既約分数でないものは分子が5の倍数である。求める和を $S$ とすると
とりあえず全部加えて,条件に合わないものを引く方法で考える。1以上50以下の数を5を分母とする分数で表すと,既約分数でないものは分子が5の倍数である。求める和を $S$ とすると
\begin{align*}
S&=\left(\dfrac{5}{5}+\dfrac{6}{5}+\cdots+\dfrac{250}{5}\right)-\left(\dfrac{5}{5}+\dfrac{10}{5}+\cdots+\dfrac{250}{5}\right) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{5}(5+6+\cdots+250)-(1+2+\cdots+50) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{5}\Cdota\dfrac{246(5+250)}{2}-\dfrac{50(1+50)}{2} \\[4pt]
&=123\times51-25\times51 \\[4pt]
&=98\times51=4998
\end{align*}
S&=\left(\dfrac{5}{5}+\dfrac{6}{5}+\cdots+\dfrac{250}{5}\right)-\left(\dfrac{5}{5}+\dfrac{10}{5}+\cdots+\dfrac{250}{5}\right) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{5}(5+6+\cdots+250)-(1+2+\cdots+50) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{5}\Cdota\dfrac{246(5+250)}{2}-\dfrac{50(1+50)}{2} \\[4pt]
&=123\times51-25\times51 \\[4pt]
&=98\times51=4998
\end{align*}
ヒロ
既約分数だけを加えたい場合は次のようにすればよい。
【別の解答と考え方】
1以上50以下の5を分母とする既約分数は1以上の整数 $k$ を用いて
1以上50以下の5を分母とする既約分数は1以上の整数 $k$ を用いて
\begin{align*}
\dfrac{5k+1}{5},~\dfrac{5k+2}{5},~\dfrac{5k+3}{5},~\dfrac{5k+4}{5}
\end{align*}
と表せる。これらの和は\dfrac{5k+1}{5},~\dfrac{5k+2}{5},~\dfrac{5k+3}{5},~\dfrac{5k+4}{5}
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{20k+10}{5}=4k+2
\end{align*}
であるから,求める和は\dfrac{20k+10}{5}=4k+2
\end{align*}
\begin{align*}
\Sum{k=1}{49}(4k+2)&=\dfrac{49(6+198)}{2} \\[4pt]
&=49\times102=4998
\end{align*}
\Sum{k=1}{49}(4k+2)&=\dfrac{49(6+198)}{2} \\[4pt]
&=49\times102=4998
\end{align*}