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漸化式パターン8:数列{a_n}の項に関する和を含む漸化式の解法 part2

漸化式パターン8 part2 数学IAIIB
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シグマも $S_n$ もないけど和で表された漸化式

ヒロ
ヒロ

次はこの問題をやってみよう。

2016年 横浜国立大数列 $\{a_n\}$ は
\begin{align*}
a_1=5,~{a_1}^2+{a_2}^2+\cdots+{a_n}^2=\dfrac{2}{3}a_na_{n+1}~(n=1,2,3,\cdots)
\end{align*}
をみたすとする。次の問いに答えよ。
(1) $a_2,~a_3$ を求めよ。
(2) $a_{n+2}$ を $a_n,~a_{n+1}$ を用いて表せ。
(3) 一般項 $a_n$ を求めよ。
ヒロ
ヒロ

Σ(シグマ)や $S_n$ を見るとパターン8だと分かっても,項を書き並べる形で書かれると分からなくなる人もいる。

ヒロ
ヒロ

この問題では $a_na_{n+1}$ という積があり,パターン5と勘違いしてしまう人もいるかもしれないが,和を含むならパターン8として処理をしよう。

ヒロ
ヒロ

(1)は与えられた漸化式の $n$ に1や2を代入すれば解けるはずだね。

【(1)の解答】
$n\geqq1$ のとき,
\begin{align*}
{a_1}^2+{a_2}^2+\cdots+{a_n}^2=\dfrac{2}{3}a_na_{n+1}~\cdots\cdots ①
\end{align*}
が成り立つから,$n=1$ とすると
\begin{align*}
&{a_1}^2=\dfrac{2}{3}a_1a_2 \\[4pt]
&5^2=\dfrac{2}{3}\Cdota5a_2 \\[4pt]
&a_2=\dfrac{15}{2}
\end{align*}
①に $n=2$ を代入すると
\begin{align*}
&{a_1}^2+{a_2}^2=\dfrac{2}{3}a_2a_3 \\[4pt]
&5^2+\left(\dfrac{15}{2}\right)^2=\dfrac{2}{3}\Cdota\dfrac{15}{2}a_3 \\[4pt]
&a_3=5+\dfrac{45}{4} \\[4pt]
&a_3=\dfrac{65}{4}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(2)はとりあえず $n$ を1つずらして差をとってみよう。

まずは手を動かすってことが重要なんですね!

【(2)の解答】
①より
\begin{align*}
{a_1}^2+{a_2}^2+\cdots+{a_n}^2+{a_{n+1}}^2=\dfrac{2}{3}a_{n+1}a_{n+2}~\cdots\cdots ②
\end{align*}
$②-①$ より
\begin{align*}
&{a_{n+1}}^2=\dfrac{2}{3}a_{n+1}(a_{n+2}-a_n)~\cdots\cdots ③
\end{align*}
ここで①の左辺は正だから,右辺も正である。
よって,$a_n$ と $a_{n+1}$ は同符号である。
$a_1>0$ より常に $a_n>0$ となるから,③の両辺を $a_{n+1}$ で割って
\begin{align*}
&a_{n+1}=\dfrac{2}{3}(a_{n+2}-a_n) \\[4pt]
&a_{n+2}=\dfrac{3}{2}a_{n+1}+a_n~\cdots\cdots ④
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

最後の(3)はパターン6の解法を知っていれば大丈夫だね。

はい。任せて下さい。

特性方程式は $x^2=\dfrac{3}{2}x+1$ となるから
\begin{align*}
&2x^2-3x-2=0 \\[4pt]
&(x-2)(2x+1)=0 \\[4pt]
&x=2,-\dfrac{1}{2}
\end{align*}
【(3)の解答】
④より
\begin{align*}
\begin{cases}
a_{n+2}-2a_{n+1}=-\dfrac{1}{2}(a_{n+1}-2a_n) \\[6pt]
a_{n+2}+\dfrac{1}{2}a_{n+1}=2\left(a_{n+1}+\dfrac{1}{2}a_n\right)
\end{cases}
\end{align*}
数列 $\{a_{n+1}-2a_n\}$ は公比 $-\dfrac{1}{2}$ の等比数列であるから
\begin{align*}
a_{n+1}-2a_n&=(a_2-2a_1)\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n-1} \\[4pt]
&=-\dfrac{5}{2}\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}~\cdots\cdots ⑤
\end{align*}

数列 $\left\{a_{n+1}+\dfrac{1}{2}a_n\right\}$ は公比2の等比数列であるから
\begin{align*}
a_{n+1}+\dfrac{1}{2}a_n&=\left(a_2+\dfrac{1}{2}a_1\right)2^{n-1} \\[4pt]
&=10\Cdota2^{n-1}~\cdots\cdots ⑥
\end{align*}
$(⑥-⑤)\times\dfrac{2}{5}$ より
\begin{align*}
&a_n=\dfrac{2}{5}\left\{10\Cdota2^{n-1}+\dfrac{5}{2}\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}\right\} \\[4pt]
&a_n=2^{n+1}+\left(-\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}
\end{align*}

まとめ

ヒロ
ヒロ

「$S_n$ を見たときはパターン8!」とだけ単純に覚えている人は,今回のようにΣ(シグマ)で表されていたり,項を書き並べて表されている問題に対して,パニックになってどうすれば良いか分からくなるだろう。

ヒロ
ヒロ

ほんの少しの見た目の違いに惑わされないようにしよう。あくまでもパターン8の基本の考え方にしたがって,落ち着いて変形することで,他のパターンに帰着できる。

ヒロ
ヒロ

せっかく変形して他のパターンに帰着させたのに,それが解けないなんてことにならないように,他のパターンについても勉強しておこう。

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