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相加平均・相乗平均の不等式の証明から学ぶこととは?

相加平均・相乗平均の不等式 相加相乗平均の関係数学IAIIB
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同じ形の式を作る

ヒロ
ヒロ

そして,ここからがかなり重要!

左辺と右辺のどちらの辺でも良いから,同じ形を作れ!

どうやって同じ形にするんですか?

ヒロ
ヒロ

(1)は2文字に対して,(2)は4文字あるよね?文字を置き換えることで,全く同じ式を作ることを考えよう。

左辺と右辺のどっちの式を作っても良いんですか?

ヒロ
ヒロ

考えやすい方でいいよ。どうせ両方説明するから(笑)

右辺を作る場合

じゃあ右辺にします。$a$ を $\displaystyle\frac{a+b}{2}$ に,$b$ を $\displaystyle\frac{c+d}{2}$ に置き換えれば同じ式になります。

ヒロ
ヒロ

いいね!

$\,a,~b,~c,~d\,$ は正の実数であるから,$\,\displaystyle\frac{a+b}{2},~\frac{c+d}{2}\,$ も正の実数である。
よって,(1)の結果より,次の不等式が成り立つ。
\begin{align*}
&\sqrt{\frac{a+b}{2}\cdot\frac{c+d}{2}}\leqq\frac{\frac{a+b}{2}+\frac{c+d}{2}}{2} \\[4pt]
&\sqrt{\frac{a+b}{2}\cdot\frac{c+d}{2}}\leqq\frac{a+b+c+d}{4}\ \cdots\cdots ①
\end{align*}
等号が成り立つのは,$\displaystyle\,\frac{a+b}{2}=\frac{c+d}{2}\,$ のとき,すなわち,$\,a+b=c+d\,\cdots\cdots\,$②のとき。
ヒロ
ヒロ

ここで,$\,\displaystyle A=\frac{a+b+c+d}{4}\,$ ,$\,B=\sqrt[4]{abcd}\,$ ,$\,\displaystyle C=\sqrt{\frac{a+b}{2}\cdot\frac{c+d}{2}}\,$ とおくと,$\,B\leqq A\,$ を証明しようとして,$\,C\leqq A\,$ が証明できたことになるね。これで4番目の考え方で言う $C$ が見つかったことになる。多くの人は一発で両辺を証明するべき式にしようとするからうまくいかない。片方ずつ処理する考え方を身に付けよう。あとは,$\,B\leqq C\,$ を証明すればいいね。

$\,a,~b,~c,~d\,$ は正の実数であるから,(1)の結果より,
\begin{align*}
\frac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab},~\frac{c+d}{2}\geqq\sqrt{cd}
\end{align*}
が成り立つ。したがって,
\begin{align*}
&\sqrt{ab}\sqrt{cd}\leqq\frac{a+b}{2}\cdot\frac{c+d}{2} \\[4pt]
&\sqrt{abcd}\leqq\frac{a+b}{2}\cdot\frac{c+d}{2} \\[4pt]
&\sqrt[4]{abcd}\leqq\sqrt{\frac{a+b}{2}\cdot\frac{c+d}{2}}\ \cdots\cdots③
\end{align*}
等号が成り立つのは,$\,a=b\,$ かつ $\,c=d\,\cdots\cdots$ ④のとき。

これで $\,B\leqq C\,$ が証明できたんですね。

ヒロ
ヒロ

そういうこと。

①,③より,
\begin{align*}
\sqrt[4]{abcd}\leqq\frac{a+b+c+d}{4}
\end{align*}
が成り立つ。また,等号が成り立つのは,②かつ④のときだから,$\,a=b=c=d\,$ のとき。

左辺を作る場合

ヒロ
ヒロ

次は,(1)の不等式で文字を置き換えることで左辺を作ってみよう。

$a$ を $\sqrt{ab}$ に,$b$ を $\sqrt{cd}$ に置き換えれば同じ式になりますね。

$\,a,~b,~c,~d\,$ は正の実数であるから,$\,\sqrt{ab},~\sqrt{cd}\,$ も正の実数である。
よって,(1)の結果より,次の不等式が成り立つ。
\begin{align*}
&\sqrt{\sqrt{ab}\cdot\sqrt{cd}}\leqq\frac{\sqrt{ab}+\sqrt{cd}}{2} \\[4pt]
&\sqrt[4]{abcd}\leqq\frac{\sqrt{ab}+\sqrt{cd}}{2}\ \cdots\cdots ⑤
\end{align*}
等号が成り立つのは,$\,\sqrt{ab}=\sqrt{cd}\,$ のとき,すなわち,$\,ab=cd\,\cdots\cdots\,$⑥のとき。

$\,\displaystyle C=\frac{\sqrt{ab}+\sqrt{cd}}{2}\,$ とおくと,$\,B\leqq C\,$ が証明できたんですね!あとは,$\,C\leqq A\,$ を証明すれば終わりです。

【何を証明すれば良いのかを確認するためのメモ】
$\,C\leqq A\,$ すなわち, $\,\displaystyle\frac{\sqrt{ab}+\sqrt{cd}}{2}\leqq\frac{a+b+c+d}{4}\,$ を証明したい。つまり,
\begin{align*}
\sqrt{ab}+\sqrt{cd}\leqq\frac{a+b+c+d}{2}
\end{align*}
を証明したい。

これでもう出来ますね!

$\,a,~b,~c,~d\,$ は正の実数であるから,(1)の結果より,
\begin{align*}
\frac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab},~\frac{c+d}{2}\geqq\sqrt{cd}
\end{align*}
が成り立つ。したがって,
\begin{align*}
&\sqrt{ab}+\sqrt{cd}\leqq\frac{a+b}{2}+\frac{c+d}{2} \\[4pt]
&\frac{\sqrt{ab}+\sqrt{cd}}{2}\leqq\frac{a+b+c+d}{4}\ \cdots\cdots⑦
\end{align*}
等号が成り立つのは,$\,a=b\,$ かつ $\,c=d\,\cdots\cdots$ ⑧のとき。

これで $\,C\leqq A\,$ が証明できたので結論を書いて終わりです。

⑤,⑦より,
\begin{align*}
\sqrt[4]{abcd}\leqq\frac{a+b+c+d}{4}
\end{align*}
が成り立つ。また,等号が成り立つのは,⑥かつ⑧のときだから,$\,a=b=c=d\,$ のとき。
ヒロ
ヒロ

完璧だね!

出来ました!

既に成り立つことが分かっている不等式を利用する場合は,左辺と右辺のどちらでも良いので,文字を置き換えることで一致させるようにしよう。

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